あ
【亜急性毒性】
あきゅうせいどくせい
Sub-acute toxicity
急性毒性(単回投与試験)ではなく、実験動物に連続して化学物質を投与(ばく露)する試験で、慢性毒性試験(18ヶ月以上)に比較して比較的期間が短期間のもの。投与期間は1週間程度から12ヶ月未満。亜慢性毒性ともいう。
【圧縮ガス】
あっしゅくがす
Compressed gas
加圧充填によって-50℃で完全にガス状となるガスをいう。これには、臨界温度が-50℃以下のすべてのガスも含まれる。
【移動性】
いどうせい
mobility
その化学物質が環境中に排出された場合に、大気、水域又は土壌に移動する可能性及びその程度。主として物理的及び化学的性質から検討する。
【引火性液体】
いんかせいえきたい
Flammable liquid
引火点が93℃以下の液体をいう。→GHSの区分
【引火性ガス】
いんかせいがす
Flammable gas
20℃、標準気圧101.3kPaにおいて燃焼範囲にあるガスをいう。
【引火点、発火点】
いんかてん、はっかてん
flash point, ignition point
引火点とは、液体が着火するのに十分な濃度の蒸気を発生する最低温度である。自動的に加速される熱分解を受ける有機過酸化物に対しては引火点は適用されない。
なお、引火点の数値は測定に用いた試験法を示す目的でT.C.C.(タグ密閉式試験)、T.O.C.(タグ開放式試験)及びC.C.(密閉式)、O.C.(開放式)等の説明(略語)付きで示されることが多い。
物質が燃焼を開始するためには、可燃性のガスまたは蒸気と空気(酸素)との混合気体とともにエネルギーが与えられなければならない。
このエネルギーの限界値を温度で表すのが発火温度である。可燃物を空気中で加熱していくとき限界温度に達すると、その後は自らの発熱反応によって温度が上昇し、その後発火する。
すなわち、発火温度というのは自然発火温度であり、着火温度または発火点ともいう。引火点と混同しないこと。
【エアゾール】
えあぞーる
エアゾール、すなわちエアゾール噴霧器とは、圧縮ガス、液化ガスまたは溶解ガス(液状、ペースト状または粉末を含む場合もある)を内蔵する金属製、ガラス製またはプラスチック製の再充填不能な容器に、
内容物をガス中に浮遊する固体もしくは液体の粒子として、または液体中またはガス中に泡状、ペースト状もしくは粉状として噴霧する噴射装置を取り付けたものをいう。→GHSの区分
【液化ガス】
えきかがす
Liquefied gas
加圧充填された場合に温度-50℃以上において一部が液状であるようなガスをいう。以下の両者については区別をする。
(i) 高圧液化ガス:-50℃から+65℃までの臨界温度を有するガス
(ii) 低圧液化ガス:+65℃を超える臨界温度を有するガス
【疫学調査】
えきがくちょうさ
epidemiological survey
疫学とは「人間集団における健康障害の頻度と分布を規定する諸要因を研究する医学の一分科」と定義されている。多くの種類の研究手法があるが、例えばある物質のばく露を受けた作業者と受けていない人たちとの間に障害発生等の状況に差がないかの比較調査を多人数について行い、統計的に解析する研究などがある。
【液体】
えきたい
Liquid
50℃において300kPa(3bar)以下の蒸気圧を有し、20℃、標準気圧101.3kPaでは完全にガス状ではなく、かつ、標準気圧101.3kPaにおいて融点または初留点が20℃以下の物質をいう。固有の融点が特定できない粘性の大きい物質または混合物は、ASTMのD4359-90試験を行うか、または危険物の国際道路輸送に関する欧州協定(ADR)の附属文書Aの2.3.4節に定められている流動性特定のための(針入度計)試験を行わねばならない。
【絵表示】
えひょうじ
Pictogram
特定の情報を伝達することを意図したシンボルと境界線、背景のパターンまたは色のような図的要素から構成されるものをいう。
爆弾の爆発 | 炎 | 円上の炎 |
---|---|---|
爆発物 自己反応性化学品 有機過酸化物 |
可燃性・引火性ガス エアゾール 引火性液体、可燃性固体 自己反応性化学品 自然発火性液体、自然発火性固体、自己発熱性化学品、水反応可燃性化学品、有機過酸化物 |
支燃性・酸化性ガス 酸化性液体 酸化性固体 |
感嘆符 | どくろ | ガスボンベ |
急性毒性(区分4)、 皮膚腐食性・刺激性(区分2)、眼に対する重篤な損傷・眼刺激性(区分2A)、皮膚感作性、特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)(区分3) (健康および環境有害性) |
急性毒性(区分1-3) (健康および環境有害性) |
高圧ガス |
腐食性 | 健康有害性 | 環境 |
金属腐食性物質 (物理化学的危険性) 皮膚腐食性・刺激性(区分1A-C)、眼に対する重篤な損傷・眼刺激性(区分1) (健康および環境有害性) |
呼吸器感作性、生殖細胞変異原性、発がん性、生殖毒性、特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)(区分1-2)、特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)、吸引性呼吸器有害性 (健康および環境有害性) |
水性環境有害性 (健康および環境有害性) |
【円上の炎】
えんじょうのほのお
危険有害性を表す絵表示のひとつ
【オクタノール/水分配係数(log Powまたはlog Kow)】
おくたのーる/みずぶんぱいけいすう
octanol/water partition coefficient as log Pow
化学物質が親油性物質であるn-オクタノールと水との間で分配された濃度の比数。値が高い場合は生体内の脂肪分に化学物質が累積しやすく、生物濃縮性が高いと考えられる。このように生物濃縮性を予測する尺度となる。
か
【化学製品】
かがくせいひん
JIS規格において「化学物質等」は「製品」としてよいとなっている。単一製品、混合物いずれも含む。
【化学的特定名】
かがくてきとくていめい
Chemical identity
化学品を一義的に識別する名称をいう。これは、国際純正応用化学連合(IUPAC)またはケミカル・アブストラクツ・サービス(CAS)の命名法に従う名称、あるいは専門名を用いることができる。
【化学物質の環境リスク評価】
かがくぶっしつのかんきょうリスクひょうか
環境省WEBサイト。環境省で実施した化学物質の環境リスク初期評価の結果で、日本で初めて体系的に実施された化学物質の環境リスクに関する評価の結果をまとめたもの。
【化学物質管理指針】
かがくぶっしつかんりししん
労働安全衛生法第28条に基づき、化学物質管理指針が定められている。従来から作業環境管理、作業管理及び健康管理を中心とする対策が講じられ、実施されているところであるが、これらの対策に加え、化学物質管理指針の策定、リスクアセスメントの実施、監査等の実施を盛り込んだものである。
【化学物質排出把握管理促進法(化管法)】
かがくぶっしつはいしゅつはあくかんりそくしんほう(かかんほう)
特定の有害化学物質の排出量を報告するシステム(いわゆるPRTR制度)と、化学物質の有害性に関する情報を提供するシステム(SDS制度)の二つの制度からなる。
PRTR制度では、対象業種、対象規模、対象物質などが決められており、各事業所から都道府県知事を通じて、所管中央省庁へ、その事業所の対象物質排出量が報告され、その集計内容が公表される。
SDSはこの報告のために、各事業所での取扱い物質の内容および量の把握のための有用なツールとなる。
【火工品】
かこうひん
Pyrotechnic article
単一または複数の火工物質を内蔵する物品をいう。
【火工物質】
かこうぶっしつ
Pyrotechnic substance
非爆轟(ばくごう)性で、自己持続性の発熱反応により生じる熱、光、音、気体、煙またはそれらの組み合わせによって一定の効果を生み出せるようにつくられた物質または物質の混合物をいう。
【ガス】
ガス
Gas
50℃で300kPa以上の蒸気圧を有する物質、または101.3kPaの標準気圧、20℃において完全にガス化する物質をいう。
【ガスボンベ】
がすぼんべ
危険有害性を表す絵表示のひとつ
【可燃性・引火性ガス】
かねんせい・いんかせいがす
20℃、標準気圧101.3kPaにおいて燃焼範囲にあるガスをいう。→GHSの区分
【可燃性固体】
かねんせいこたい
Flammable solid
容易に燃焼するかまたは摩擦によって発火もしくは発火を誘発する固体をいう。→GHSの区分
【環境】
かんきょう
危険有害性を表す絵表示のひとつ
【環境影響】
かんきょうえいきょう
environmental impact
環境に対する影響。化学物質による影響を調べる場合、魚・甲殻類(ミジンコ)、藻類を試験生物として用いることが多い。実際の環境(生態系)は非常に複雑であり、簡単な試験のみで影響を検討することは難しいが、データを集積していくことは必要。
【感作性】
かんさせい
sensitizing
個体をある抗原(感作性物質)に対してはじめてばく露することで、その結果として免疫反応により抗体(免疫グロブリン)が体内に形成される。後にその抗原にばく露されると抗体が存在することにより、初回よりはるかに強い免疫反応(アレルギー反応)が生じる。このような反応の生じる素因を体内に形成させるばく露を感作という。
【感作性物質】
かんさせいぶっしつ
sensitizer
増感物質、感作物質、アレルゲンと同義。アレルゲンは、アレルギー反応をひき起こす抗原。
【感嘆符】
かんたんふ
危険有害性を表す絵表示のひとつ
【官報公示整理番号(化審法・安衛法)】
かんぽうこうじせいりばんごう(かしんほう・あんえいほう)
安衛法(労働安全衛生法)の公表化学物質名簿及び新規に届出され官報に掲載された新規公表化学物質の官報公示整理番号並びに化審法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律)既存化学物質名簿及び新規に届出され、官報に掲載された新規化学物質の官報公示整理番号のことをいう。
安衛法の官報公示整理番号において、昭和54年2月5日・5月31日・8月31日にそれぞれ公示された名簿には6月29日までに化審法の規定により公示された化学物質が含まれ、既存化学物質扱いとされるが、整理番号は付されていない。
したがって、それらについては化審法の整理番号のみで安衛法の番号はない(化審法の整理番号が(1)-1197、(2)-3166、(3)-3535、(4)-1365、(5)-5363、(6)-1553、(7)-2177、(8)-652、(9)-2607以前のもの。)。
このときに、SDSには官報公示整理番号(化審法・安衛法)として化審法の番号だけを示すのがよい。それ以後の新規化学物質には、化審法・安衛法の双方に別々の整理番号があるので、SDSには両方の番号を記入する。
安衛法の化学物質や化審法の化学物質を化学工業日報社発行の本で調査した場合には検索の便宜上構造別分類番号(構造分類ごとにアルファベットを先頭にした7桁の数字)も掲載されているので、これと混同しないこと。
【管理濃度】
かんりのうど
作業環境測定結果から当該作業場所の作業環境管理の良否を判断する際の管理区分を決定するための指標として定められたものであり、 作業環境評価基準(昭和63年、労働省告示第79号)の別表にその値が示されている。許容濃度がばく露濃度の基準として定められているのとは性格が異なる。
【危険物輸送に関する勧告、試験および判定基準のマニュアル】
きけんぶつゆそうにかんするかんこく、しけんおよびはんていきじゅんのまにゅある
Recommendations on the Transport of Dangerous Goods,Manual of Test and Criteria
この表題の国連刊行物として出版された最新版およびそれに対するすべての改訂出版物をいう。
【危険物輸送に関する勧告・モデル規則】
きけんぶつゆそうにかんするかんこく、もでるきそく
Recommendations on the Transport of Dangerous Goods,Model Regulations
この表題で出版された国連刊行物の最新版およびそれに対するすべての改訂出版物をいう。
【危険/有害性(ハザード)】
きけん/ゆうがいせい(はざーど)
(chemical) hazard
化学物質固有の影響。物理的・化学的性質(引火性・爆発性など)によって生じる物理的影響(危険性)と生体への影響(健康影響および環境影響:有害性)がある。
【危険有害性区分】
きけんゆうがいせいくぶん
Hazard category
各危険有害性クラス内の判定基準の区分をいう。例えば、経口急性毒性には5つの有害性区分があり、引火性液体には4つの危険性区分がある。これらの区分は危険有害性クラス内で危険有害性の強度により相対的に区分されるもので、より一般的な危険有害性区分の比較と見なすべきでない。
【危険有害性クラス】
きけんゆうがいせいくらす
Hazard class
引火性固体、発がん性物質、経口急性毒性のような、物理化学的危険性、健康または環境有害性の種類をいう。
【危険有害性情報】
きけんゆうがいせいじょうほう
Hazard statement
危険有害性クラスおよび危険有害性区分に割り当てられた文言であって、危険有害な製品の危険有害性の性質を、該当する程度も含めて記述する文言をいう。
【既存化学物質毒性データベース(JECDB)】
きぞんかがくぶっしつどくせいでーたべーす
Japan Existing Chemical Data Base(JECDB)
わが国が行ってきた化学物質の毒性試験及びOECD化学品プログラムにおける国際協力としてHPV(高生産量既存化学物質)の安全性点検に関するデータベース。国立医薬品食品衛生研究所Web site。約340物質。
【吸引性呼吸器有害性】
きゅういんせいこきゅうきゆうがいせい
aspiration hazard
誤嚥による有害作用、すなわち液体か固体の化学物質を口や鼻から直接飲み込んだとき、あるいは嘔吐の際に気道に入り、化学性肺炎や肺水腫などの呼吸器障害を引き起こすものが対象となる。
気体や気体中に浮遊した粉じん等を吸入する場合は対象とならない。→GHSの区分
【急性毒性】
きゅうせいどくせい
acute toxicity
1回または短時間ばく露したときに発現する毒性を急性毒性という。 被験物質を動物に1回または短時間に適用した際に発現する有害作用を測定する試験を急性毒性試験という。
発現する症状及び体重や生化学変化、病理学的変化等を指標として、その物質の毒性の様相を質的及び量的(致死量)な両面から解明する。単回投与毒性試験ともいう。→GHSの区分
急性毒性データの指標(LD50、LDLo、TDLo、LC50、LCLo、TCLo)
1) LD50 | 試験動物の半数を死亡させる薬物量を動物の体重1kg当たりで表した値(=50%致死量)(50% lethal dose) |
2) LDLo | 試験動物を死亡させる最も少ない薬物量を動物の体重1kg当たりで表した最小致死量(lowest published lethal dose) |
3) TDLo | 試験動物に対し中毒症状を示す最も少ない薬物量を動物の体重1kg当たりで表した最小中毒量(toxic dose lowest) |
4) LC50 | 試験動物の半数を死亡させる空気中の薬物濃度(50% lethal concentration) |
5) LCLo | 試験動物を死亡させる最も少ない空気中の薬物濃度(lowest published lethal concentration) |
6) TCLo | 試験動物に対し中毒症状を示す最も小さい吸入薬物濃度(toxic concentration lowest) |
【局所効果】
きょくしょこうか
local effect
化学物質が接触した部位に限局して起こる生体反応を指す。目や皮膚の刺激性(腐食性)。
【許容濃度】
きょようのうど
Permissible Exporsure Limit (PEL) (Occupational Exporsure Limits(OELs))
労働現場で労働者がばく露されても、空気中濃度がこの数値以下であれば、ほとんどすべての労働者に健康上の悪影響がみられないと判断される濃度を許容濃度という。暴露限界値、許容暴露限界ともいう。
日本では日本産業衛生学会が勧告値を発表している。米国ではACGIHが勧告値を発表している。
許容濃度の勧告値としては時間加重平均(TWA;作業員が通常1日8時間、週40時間での許容値)、短時間暴露限界(STEL;15分間内における平均値が超えてはならない値)、天井値(C;この値を超えてはならない上限値)、等がある。
【金属腐食性物質】
きんぞくふしょくせいぶっしつ
Corrosive to metal
化学反応によって金属を著しく損傷し、または破壊する物質または混合物をいう。→GHSの区分
【健康有害性】
けんこうゆうがいせい
危険有害性を表す絵表示のひとつ
【高圧ガス】
こうあつがす
加圧充填によって-50℃で完全にガス状となるガスをいう。これには、臨界温度が-50℃以下のすべてのガスも含まれる。→GHSの区分
【合金】
ごうきん
Alloy
機械的手段で容易に分離できないように結合した2つ以上の元素から成る巨視的にみて均質な金属体。合金は、GHSによる分類では混合物とみなされる。
【誤嚥】
ごえん
aspiration
液体または固体の化学物質が口または鼻腔から直接、または嘔吐によって間接的に、気管および下気道へ侵入することをいう。
【呼吸器感作性物質】
こきゅうきかんさせいぶっしつ
Respiratory sensitizer
物質の吸入により気道に過敏反応を誘発する物質をいう。→GHSの区分
【国連分類・国連番号】
こくれんぶんるい・こくれんばんごう
UN Classification,UN Dangerous Goods Number
国連の経済社会理事会に属する危険物輸送専門家委員会が作成した「危険物輸送に関する国連勧告」による危険物の分類と4桁の番号のことである。SDSに記載する場合には、クラス等の名称、国連番号、容器等級を記入する。船舶安全法に基づく危険物船舶運送及び貯蔵規則(危規則)告示別表にも分類と国連番号、容器等級が記載されている。
【固体】
こたい
Solid
液体または気体の定義に当てはまらない物質または混合物をいう。
【混合物】
こんごうぶつ
Mixture
複数の物質で構成される反応を起こさない混合物または溶液をいう。
さ
【催奇形性】
さいきけいせい
Teratogenicity
化学物質が妊娠中の器官形成期の胎児に及ぼす影響、特に奇形の発生について確認する。
【最小影響量】
さいしょうえいきょうりょう
Lowest Observed Effect Level(LOEL)
毒性試験において何らかの影響が認められた最低のばく露量
【最小毒性量】
さいしょうどくせいりょう
Lowest Observed Adverse Effect Level(LOAEL)
毒性試験において有害な影響が認められた最低のばく露量
【酸化性液体】
さんかせいえきたい
Oxidizing Liquid
それ自体は必ずしも燃焼性はないが、一般に酸素を供給することによって他の物質の燃焼を引き起こし、またはその一因となる液体をいう。→GHSの区分
【酸化性固体】
さんかせいこたい
Oxidizing solid
それ自体は必ずしも燃焼性はないが、一般に酸素を供給することによって他の物質の燃焼を引き起こし、またはその一因となる固体を意味する。→GHSの区分
【時間加重平均(TWA)】
じかんかじゅうへいきん(ティーダブリューエー)
Time Weighted Average
許容濃度の項を参照。
【自己加速分解温度】
じこかそくぶんかいおんど
SADT;Self-Accelerating Decompositon Temperature
密閉状態において物質に自己加速分解が起こる最低温度をいう。
【自然発火性液体】
しぜんはっかせいえきたい
Pyrophoric liquid
少量であっても、空気との接触後5分以内に発火する液体をいう。→GHSの区分
【自然発火性固体】
しぜんはっかせいこたい
Pyrophoric solid
少量であっても、空気との接触後5分以内に発火する固体をいう。→GHSの区分
【自己発熱性化学品】
じこはつねつせいかがくひん
Self-heating substance
自然発火性物質以外で、空気との反応によってエネルギーの供給なしに自己発熱する固体または液体をいう。
この物質は、大量(キログラム単位)に存在し、かつ長時間(数時間から数日間)経過した後にのみ発火する点で自然発火物質とは異なる。
【自己反応性化学品】
じこはんのうせいかがくひん
Self-reactive substance
酸素(空気)なしでも非常に強力な発熱性分解をする熱的に不安定な液体または固体をいう。この定義には、GHSにおいて爆発性物質、有機過酸化物または酸化剤として分類される物質または混合物は含まれない。
【支燃性・酸化性ガス】
しねんせい・さんかせいがす
Oxidizing gas
一般に酸素を供給することによって、空気以上に他の物質の燃焼を引き起こし、またはその一因となるガスをいう。→GHSの区分
【蒸気】
じょうき
Vapor
液体または固体の状態から放出されたガス上の物質または混合物をいう。
【所管省庁】
しょかんしょうちょう
Competent authority
化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)に関連して、所管機関として指定または認定された国家機関、またはその他の機関をいう。
【初留点】
しょりゅうてん
Initial boiling point
ある液体の蒸気圧が標準気圧(101.3kPa)に等しくなる、すなわち最初にガスの泡が発生する時点での液体の温度をいう。
【シンボル】
しんぼる
Symbol
情報を簡潔に伝達するように意図された画像要素をいう。
【深冷液化ガス】
しんれいえきかがす
Refrigerated liquefied gas
低温によって充填時に一部液状となるガスをいう。
【水生環境有害性】
すいせいかんきょうゆうがいせい
Hazardous top the Aquatic Environmental
水生生物に対する有害影響が対象となり、急性水生毒性3区分と慢性水生毒性4区分が設けられている。急性水生毒性は、魚類を用いた急性水生毒性試験結果(LC50値)、甲殻類(ミジンコやアミ類)を用いた急性水生毒性試験結果(EC50値)、藻類等の水生植物を用いた急性水生毒性試験結果(ErC50値)により区分を行う。区分毎に基準濃度が定められており、試験結果を基準値と比較して3種の試験のいずれかで基準を満たせば当該区分に分類する。慢性水生毒性は、急性水生毒性の強さ(区分)と急速分解性・生物蓄積性(生物濃縮係数実測値で判定するが、測定値がない場合はオクタノール/水分配係数で判定)から判定し4区分に分類する。ただし、慢性水生毒性試験の結果があり無影響濃度(NOEC)が1mg/kgを超える場合は除外する。→GHSの区分
【成形品】
せいけいひん
article
各種の定義があるが、一般的には、成形されてそのまま消費者の用途に提供されるようなものを指す。その化学物質を提供する側では最終製品として位置付けていても、提供された側でさらに加工されるような場合
(例えば、樹脂のフィルム)、成形品にはあたらないとされることが多い。特に、SDS作成の観点からは、提供先でその化学製品に含まれる化学物質に労働者がばく露される可能性があるかといった点もポイントとなる。
【生態毒性】
せいたいどくせい
ecotoxicity
環境影響とほぼ同意語に使用される。一般的には、魚、ミジンコ、藻類の試験を持って代表させることが多いが、実際の生態系への影響は極めて複雑であり、OECDでもその他の多くの生物種に対する試験方法が提唱されている。
【生殖細胞変異原性】
せいしょくさいぼうへんいげんせい
germ cell mutagenicity
ヒトの生殖細胞の遺伝子に遺伝性の突然変異を生じさせる作用。→GHSの区分
【生殖毒性】
せいしょくどくせい
reproductive toxicity
性的機能と妊孕性(妊娠能力)(sexual function and fertility)及び児の発生・発達(development of offspring)への有害影響。
→GHSの区分
【生殖発生毒性】
せいしょくはっせいどくせい
reproductive developmental toxicity
化学物質等が雌雄両性の生殖細胞の形成から、受精、妊娠、分娩、哺乳を通して、次世代の成熟に至る生殖発生の過程の何れかの時期に作用して生殖発生に対して有害な反応を引き起こす場合、その能力を生殖発生毒性と総称する。具体的には、生殖細胞形成障害、交接行動異常、発情周期異常、受胎・着床障害等の生殖の障害、胚・胎児死亡、発育遅滞、奇形発生等の胎生期に発生する障害、妊娠維持や分娩、授乳・哺育の障害、さらに出生後の成長と機能発達の障害等が挙げられる。
【製品特定名】
せいひんとくていめい
Product identifier
ラベルまたはSDSにおいて危険有害性のある製品に使用される名称または番号をいう。これは、製品使用者が特定の使用状況、例えば輸送、消費者、あるいは作業場の中で物質または混合物を確認することができる一義的な手段となる。
【生物濃縮係数】
せいぶつのうしゅくけいすう
BCF : bio-concentration factor
披験物質を溶解した水中で魚を飼育し、披験物質の魚体中の濃度と試験水中の濃度より濃縮倍率を求める。
【生物濃縮性(生体蓄積性・蓄積性)】
せいぶつのうしゅくせい(せいたいちくせきせい・ちくせきせい)
biological concentration
生物体における物質の濃縮を生物濃縮性という。ただし、付着、吸着は除く。 生物蓄積[bio-accumulation]と同義語であるが、食物からの摂取を考慮せずに環境(水)中の汚染物質濃度と生物体内の濃度を比較する点が異なる。
濃縮の度合いは、平衡状態に達した時点での生物濃縮係数(BCF : bio-concentration factor)で表される。
【生分解性】
せいぶんかいせい
biodegradation
生物学的な化学物質の分解性を指す。自然界での化学物質の分解の主役は微生物であり、生分解性が低いと環境中に蓄積されるおそれがある。化審法での生分解性の試験は、100ppmの化学物質の水溶液に活性汚泥30ppmを接種し、
28日間培養した後の分解度で生分解性を判定する。なお、分解度は生物化学的酸素要求量(BOD)の測定により算出する方法、化学物質そのものの分析により算出する方法がある。
【接触感作性物質】
せっしょくかんさせいぶっしつ
Contact sensitizer
皮膚との接触によってアレルギー反応を誘発する物質をいう。「接触感作性」の定義は「皮膚感作性」と同義である。
【専門名】
せんもんめい
Technical name
IUPACまたは CAS名以外の名称であって、物質または混合物を特定するために商業、法規制、規格等で一般に使用され科学者・専門家に認められらた名称をいう。専門名の例には、複雑な混合物(例:石油留分や天然産物)、農薬(例:ISOやANSIシステム)、染料(カラーインデックスシステム)、鉱物などに使用されるものがある。
た
【短時間暴露限界(STEL)】
たんじかんばくろげんかい(ステル)
short-term exposure limit
許容濃度の項を参照。
【注意書き】
ちゅういがき
Precautionary statement
危険有害性のある製品へのばく露あるいは危険有害性のある製品の不適切な貯蔵または取扱いから生じる有害影響を最小にするため、または予防するために取るべき推奨措置を記述した文言(または絵表示)をいう。
【注意換起語(シグナルワード)】
ちゅういかんきご(しぐなるわーど)
Signal Word
ラベル上で危険有害性の重大さの相対レベルを示し、利用者に潜在的な危険有害性を警告するために用いられる言葉をいう。GHSでは、「危険(Danger)」や「警告(Warning)」を注意喚起語として用いている。
【天井値】
てんじょうち
ceiling limit
許容濃度の項を参照。
【特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)】
とくていひょうてきぞうき・ぜんしんどくせい(たんかいばくろ)
specific target organ systemic toxicity - single exposure
単回ばく露によって起こる一つまたは複数の臓器(肝臓、腎臓等の臓器あるいは神経系、免疫系、循環器系等)で生じる有害影響あるいは特定臓器に限定されない全身的な有害影響を対象とし、ばく露後比較的短期間内に生じるもののみでなく遅発性の影響も含む。
→GHSの区分
【特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)】
とくていひょうてきぞうき・ぜんしんどくせい(はんぷくばくろ)
specific target organ systemic toxicity - repeated exposure
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)の区分1及び区分2が対象とする健康影響と同様のものであるが、反復ばく露によって初めて生じる特異的な非致死性の特定標的臓器・全身毒性を対象としている。→GHSの区分
【毒物及び劇物取締法(毒劇法)】
どくぶつおよびげきぶつとりしまりほう(どくげきほう)
労働安全衛生法、化学物質排出把握管理促進法と同時期にSDS提供について義務化。混合物の考え方が、他の法律とは異なり、既に毒劇法の対象となっている毒物及び劇物の指定令で定められている濃度が提供義務の裾切り値となる。
【突然変異】
とつぜんへんい
Mutation
細胞内の遺伝物質の量または構造における恒久的な変化をいう。
【どくろ】
どくろ
危険有害性を表す絵表示のひとつ
な
【日本産業衛生学会】
にほんさんぎょうえいせいがっかい
Japan Association on Industrial Health
産業医学に関する学会。特に、職場における許容濃度について勧告値を設定している。勧告値の改訂、追加などは、総会で提案され産業衛生学雑誌で公表される。
勧告値の設定にあたっては、設定理由書を同時に公開しており、その内容は、化学物質の有害性の概要を確認するためには極めて有効。
【日化辞WEB】
にっかじウェブ
Japan Chemcal Substance Dictionaly Web Servise
化学技術振興機構が提供し、収録件数は約280万件(2010.01現在)、その10%にCAS番号が付与されている。名称、分子式、分子量、化学構造で検索できる。
化審法および安衛法の官報公示番号、国連番号(UN番号)も収録されている。英名が収載されているので、海外のデータベースも含めて、英名を使用して、CAS番号を調査することもできる。
は
【爆弾の爆発】
ばくだんのばくはつ
危険有害性を表す絵表示のひとつ
【爆発性物質】
ばくはつせいぶっしつ
Explosive substance
それ自体が化学反応によって周囲に被害を与えるような温度、圧力、速度を伴うガスを発生しうる固体または液体の物質(もしくは混合物)をいう。火工物質は、ガスを発生しない場合であってもこれに含まれる。
【爆発性物品】
ばくはつせいぶっぴん
Explosive article
単一または複数の爆発性物質を含む物品をいう。
【ばく露限界】
ばくろげんかい
limit of exposure
量―反応関係等から導かれる、ほとんどすべての労働者が連日繰り返しばく露されても健康に影響を受けないと考えられている濃度又は量の閾(いき)値。
日本産業衛生学会の提案している許容濃度及び米国産業衛生専門家会議が勧告している時間荷重平均で評価した場合の時間荷重平均濃度が含まれる。
【ばく露レベル】
ばくろれべる
exposure level
化学物質等を発散する作業場内の労働者が呼吸する空気中の化学物質等の濃度。
【ハザード】
はざーど
hazard
危険/有害性を参照
【ハザードアセスメント】
はざーどあせすめんと
hazard assessment
化学物質固有の影響である危険/有害性について評価すること。化学物質固有の影響の同定(確認)と、その影響がどの程度の量的レベルで発生するかの確認を行う。
【発がん性】
はつがんせい
Carcinogenicity
化学製品が人又は動物に対して「がん」を生じさせる性質をいう。ACGIH、IARC(国際がん研究機関)、NTP(米国・国家毒性プログラム)、日本産業衛生学会等で化学物質等の発がん性についてポテンシャルが定性的に分類がされている。
【発がん性物質】
はつがんせいぶっしつ
Carcinogen
がんを誘発し、またはその発生頻度を増大させる化学物質または化学物質の混合物をいう。
【発がん性分類】
はつがんせいぶんるい
IARC、日本産業衛生学会、ACGIH、NTP等の機関が疫学調査、動物実験等から発がん性物質を分類している。
●IARCの分類
グループ 1 | ヒトに対して発がん性がある |
グループ 2A | ヒトに対しておそらく発がん性がある |
グループ 2B | ヒトに対して発がん性があるかもしれない |
グループ 3 | ヒトに対する発がん性については分類できない |
グループ 4 | ヒトに対しておそらく発がん性がない |
第1群 | 人間に対して発がん性のある物質 |
第2群A | 人間に対しておそらく発がん性があると考えられる物質 証拠がより十分な物質 |
第2群B | 人間に対しておそらく発がん性があると考えられる物質 証拠が比較的十分でない物質 |
A1 | ヒトに対する発がん性が確認された物質 |
A2 | ヒトに対する発がん性が疑わしい物質 |
A3 | 動物実験では発がん性が確認されたが、ヒトの発がん性との関連が未知の物質 |
A4 | ヒトに対する発がん性と分類しかねる物質 |
A5 | ヒトに対する発がん性の疑いのない物質 |
K | ヒトに対して発がん性があることが知られている物質 |
R | 合理的にヒト発がん性があることが懸念される物質 |
【半数致死濃度】
はんすうちしのうど
Lethal Concentration 50(LC50)
短時間の吸入ばく露(通常1時間から4時間)で1群の実験動物の50%を死亡させると予想される濃度
【半数致死量】
はんすうちしりょう
Lethal Dose 50(LD50)
1回の投与で1群の実験動物の50%を死亡させると予想される投与量
【皮膚感作性物質】
ひふかんさせいぶっしつ
Skin sensitizer
皮膚への接触によりアレルギー反応を誘発する物質をいう。「皮膚感作性」の定義は、「接触感作性」と同義である。→GHSの区分
【皮膚刺激性】
ひふしげきせい
Skin irritation(Dermal irritation)
試験物質の4時間以内の適用で、皮膚に対して可逆的な損傷が発生することをいう。→GHSの区分
【皮膚腐食性】
ひふふしょくせい
Skin corrosion(Darmal corrosion)
試験物質の4時間以内の適用で、皮膚に対して不可逆的な損傷が発生することをいう。→GHSの区分
【腐食性】
ふしょくせい
危険有害性を表す絵表示のひとつ
【(生体)腐食性】
(せいたい)ふしょくせい
corrosive
化学物質により皮膚や粘膜に対して不可逆的な組織障害を起こすことで、強酸(pHが2以下)や強アルカリ(pHが11.5以上)物質の多くはこの特性を有する。組織の有機成分、特に蛋白質と化学物質が直接反応し、これを溶解し(アルカリの場合)、沈殿し(強酸、重金属塩の場合)、酸化し(酸化剤等の場合)、あるいは結合して(ハロゲン化合物等の場合)その局所を破壊させる。壊死組織は周囲からの浸出液と腐食剤そのものと合わさって不溶性の塊となり、これを痂皮(かひ)という。これに対して可逆的な炎症性の変化を刺激性という。
【物質】
ぶっしつ
Substance
自然状態にあるか、または任意の製造過程において得られる化学元素およびその化合物をいう。製品の安定性を保つ上で必要な添加物や用いられる工程に由来する不純物も含むが、当該物質の安定性に影響せず、またその組成を変化させることなく分離することが可能な溶媒は除く。
【粉じん】
ふんじん
Dust
ガス(通常空気)の中に浮遊する物質または混合物の固体の粒子をいう。
【分類基準】
ぶんるいきじゅん
日本方式は、危険有害性を該当する各法律における対象化学物質などとして定義している。
国際的には2003年国連勧告としてGHS(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals : 化学品の分類および表示に関する世界調和システム)が承認された。
法的拘束力はないが、世界的な分類表示システムが構築された。
【変異原性】
へんいげんせい
mutagenicity
生物の遺伝子に突然変異を引き起こす性質を変異原性といい、突然変異を引き起こす因子(物理学的、化学的、生物学的)を変異原(mutagen)という(変異原物質ともいう。)。
突然変異が生じる現象が変異である。物質の発がん性スクリーニング試験として変異原性の有無を探索する方法が種々開発されている。
化審法、安衛法に基づく新規化学物質届出時の変異原性試験は微生物を用いる復帰突然変異原性試験(エームス試験という。)とほ乳類培養細胞を用いる染色体異常試験である。
【変異原性物質】
へんいげんせいぶっしつ
Mutagen
細胞の集団または生物体に突然変異を発生する頻度を増大させる物質をいう。
【補助的ラベル要素】
ほじょてきらべるようそ
Supplemental label element
危険有害性のある製品の容器に付される情報であって、GHSにおいて要求または指定されていない追加情報をいう。こうした情報は、他の所管省庁による要件のこともあれば、製造業者/流通業者の自由裁量で提供される追加情報のこともある。
【炎】
ほのお
危険有害性を表す絵表示のひとつ
ま
【慢性毒性(長期毒性)】
まんせいどくせい(ちょうきどくせい)
chronic toxicity
長期間ばく露又は繰返しばく露によって現れる毒性をいい、1回又は短時間ばく露の急性毒性、期間の比較的短い亜急性毒性と対比して用いる。被験物質を実験動物に長期間(化学物質の場合には12ヶ月以上)反復して投与し、その際に発現する動物の機能及び形態等の変化を観察することにより、物質による何らかの毒性影響が認められる量(毒性発現量)及び影響が発現しない量(無影響量、無有害影響量)を明らかにする試験を慢性毒性試験という。
無影響量 No Observed Effect Level(NOEL)
無毒性量 No Observed Adverse Effect Level(NOAEL)
12ヶ月未満の場合は亜急性毒性試験又は亜慢性毒性試験という。
【ミスト】
みすと
Mist
ガス(通常空気)の中に浮遊する物質または混合物の液滴をいう。
【水反応可燃性物質】
みずはんのうかねんせいぶっしつ
Substance which, in contact with water,emits flammable gases
水との相互作用によって自然発火性となり、または危険な量の引火性ガスを放出する固体、液体または混合物をいう。
【無影響量】
むえいきょうりょう
No Observed Effect Level(NOEL)
毒性試験において影響が認められなかった最高のばく露量。
【無毒性量】
むどくせいりょう
No Observed Adverse Effect Level(NOAEL)
毒性試験において有害な影響が認められなかった最高のばく露量。無有害影響量ともいう。
【眼刺激性】
めしげきせい
Eye irritation
眼の表面に試験物質をばく露した後に生じた眼の変化で、ばく露から21日以内に完全に回復するものをいう。→GHSの区分
【眼に対する重篤な損傷性】
めにたいするじゅうとくなそんしょうせい
Serious eye damage
眼の前表面に対する試験物質のばく露にともなう眼の組織損傷の発生、または視力の重篤な低下で、ばく露から21日以内に完全に回復しないものをいう。→GHSの区分
や
【有機過酸化物】
ゆうきかさんかぶつ
Organic peroxide
二価の-O-O-構造を持ち、1個または2個の水素原子が有機ラジカルによって置換された過酸化水素の誘導体と見なすことができる液体または固体の有機物質をいう。また、有機過酸化物組成物(混合物)も含む。
→GHSの区分
【溶解ガス】
ようかいがす
Dissolved gas
加圧充填によって液相溶媒中に溶解するガスをいう。
ら
【ラベル】
らべる
Label
危険有害な製品に関する書面、印刷またはグラフィックによる情報要素のまとまりであって、目的とする部門に対して関連するものが選択されており、危険有害性のある物質の容器に直接、あるいはその外部梱包に貼付、印刷または添付されるものをいう。
【ラベル要素】
らべるようそ
Label element
ラベル中で使用するために国際的に調和されている情報、たとえば、絵表示(ピクトグラム)、注意喚起語(シグナルワード)をいう。
【リスク】
りすく
risk
ある危険/有害な事象が発生する確率。化学物質の場合、それぞれの固有の影響(危険/有害性)と化学物質に接する機会(特定事象の発生確率、暴露可能性)とから算出される。
【リスクアセスメント】
りすくあせすめんと
risk assessment
ハザード評価の結果および暴露評価の結果から各化学物質のリスクについて評価すること。
【量―反応関係】
りょうはんのうかんけい
dose-respons
化学物質等が生体に作用した量又は濃度と、当該化学物質等にばく露された集団内で、一定の健康への影響を示す個体の割合
【臨界温度】
りんかいおんど
Critical temperature
その温度を超えると圧縮の程度に関係なく、純粋なガスを液化できない温度をいう。
【労働安全衛生法(安衛法)に基づく】
ろうどうあんぜんえいせいほう(あんえいほう)にもとづく
労働安全衛生法第57条の2第1項に基づき労働安全衛生法施行令別表第9にSDSを提供すべき物質が規定されている。SDS対象物質は日本産業衛生学会およびACGIHにおいて職場でのばく露に関する許容濃度が勧告された物質及び労働災害の原因となった物質から選定された。