リスクアセスメントとは、作業現場にある危険性又は有害性を特定し、それによる労働災害(健康障害を含む)の重篤度(けがなどの程度)とその災害が発生する可能性を組み合わせてリスクを見積り、そのリスクの大きさに基づいて、リスク低減措置を検討し、その結果を記録する一連の安全衛生管理手法です。
このように、リスクアセスメントは、労働災害を防止するための予防的手段(先取り型)であり、過去に発生した労働災害を教訓に、災害発生後に行う事後対策(後追い型)とは異なる取組みです。
従来、労働者の安全や健康の問題が起きないようにするために、事業者がとるべき措置義務が法令で定められてきました。しかし、これらは過去の災害などを教訓として作られた最低の基準であり、実際に被害が発生した後でなければ規制が実施できないなどの問題がありました。
つまり、この措置義務を守るだけでは対策が後手にまわることが多く、さらには、作業工程の多様化や使用される設備、原材料、化学物質などの数が多くなり、安全衛生対策として万全ではないことがわかってきました。
このため、今では個々の会社(事業場)の作業の実態や特性を的確にとらえて、自主的な安全衛生対策を行うことが求められています。