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STOP!転倒災害プロジェクト

進めましょう!転倒予防体操
加齢とともに進行する身体強度や運動機能の低下の予防は転倒災害の予防にも寄与しております。
ここでは、自動車製造業の事業場で実施している転倒予防体操の一例を紹介します。
当該事業場では、転倒災害防止と身体機能改善を目的とした「いきいき安全体操」を毎日約5分間、音楽に合わせて立位で行っています。全身ストレッチと平衡機能、敏捷性、下肢筋力の向上を目的とした5つの動作の繰り返しで構成されています。
1 つま先かかと立ち
足関節の背屈・底屈(つま先を上げる前脛骨筋の強化)
 つま先かかと立ち4回×2セット
2 フォアードランジ
前後方向への重心移動、上肢の前後方向への素早い動作(バランス能力、上肢・下肢敏捷性、下肢筋力、股関節可動域の向上)
 (右足踏み出し2回→左足踏み出し2回)×2セット
3 つま先タッチ
垂直方向への重心移動(バランス能力、敏捷性、筋力、股関節可動域の向上)
 (右足タッチ2回→左足タッチ2回)×8セット
4 サイドランジ
左右方向への重心移動、急速な下肢の左右方向への踏み出し、上肢の左右方向への素早い動作(バランス能力、上肢・下肢敏捷性、下肢筋力、股関節可動域の向上)
 (右足踏み出し2回→左足踏み出し2回)×2セット
5 片足スクワット
垂直方向への重心移動(バランス能力、筋力、足関節・股関節可動域の向上)
 (右足2回→左足2回)×2セット
転倒予防体操による効果
この事業場では、この体操を継続的に8か月実施したところ、バランス、俊敏性等の運動機能に改善が見られたほか、転倒経験やヒヤリハットが減少するなど効果があがっています。
図1 体操実施による高年齢作業者の身体機能の変化(n=77)
図2 高年齢作業者の体操実施による転倒リスク(転倒経験・転倒ヒヤリハット)の変化
出所:「労働の科学」、66(11)678-684,2011、川越隆