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STOP!転倒災害プロジェクト

身体的能力のセルフチェック
身体機能が低下すると、ご自身が大丈夫と思っていても気がつかないうちに転倒しやすい状態になっている場合があります。筋力、敏捷性、静的バランスなど、現在のご自身の身体の状態を、簡単なチェックで確認してみましょう。評価値が低いほど転倒のリスクが高まります。
(出典:高年齢労働者の身体的特性の変化による災害リスク低減推進事業に係る調査研究報告書(平成22年3月 中央労働災害防止協会)
1 2ステップテスト [歩行能力・下肢筋力]
バランスを崩さずに実施可能な最大2歩幅を測定します。滑りにくい場所で、滑りにくい靴等で測定して下さい。

【注意事項】
・ 必ず滑りにくい床で実施して下さい。
・ バランスを崩し転倒することがあるので、周りに物を置かないで下さい。
・ バランスを崩して手をついた場合、ジャンプした場合、足を引きずって立ち上がった場合はやり直しとなります。
①両足のつま先をスタートラインに揃えて立ちます。
②反動をつけずに可能な限り大股で2歩歩き、2歩目の位置に両足を揃えて立ち止まります。左右どちらから始めてもかまいませんが、2回とも同じ足からスタートします。
③測定幅は、スタートラインから最終位置(2歩目)のつま先までの距離をcm単位(mm単位は四捨五入)します。
④2回測定し、良い方の測定距離を身長(cm)で割ります。
【評価表】
評価値 1(高リスク) 5(低リスク)
~1.24 1.25~1.38 1.39~1.46 1.47~1.65 1.66~
2 座位ステッピングテスト [下肢の敏捷性]
どのくらい素早く足を動かせるか確認します。

【注意事項】
・ 椅子がずれないように注意して下さい。
・ ラインを踏んだり、足を擦って移動した場合、つま先が床にタッチしない場合はカウントしません。
①椅子に浅く座り、両手で座面を握り身体を安定させます。
②両足を2本のライン(30cm幅)の内側に置きます。
③「始め」の合図で、つま先をラインの外側の床に触れ、内側の床に触れ・・・をできるだけ早く繰り返します。
④練習(5秒程度)の実施後、足を内側の位置に戻し、20秒間で何回内側の両足のつま先をついたかを数えます。
【評価表】
評価値 1(高リスク) 5(低リスク)
~24回 25~28回 29~43回 44~47回 48回~
3 ファンクショナルリーチ [動的バランス能力]
バランスを崩さずにどのくらいからだを傾斜できるか測定します。

【注意事項】
・ バランスを崩した際に、ホワイトボード等の脚につまずかないよう注意して下さい。
・ 上体をねじり、測定する片腕だけが前に出ないよう注意して下さい。
①壁に対して横向きに立ち、両足を軽く開き、両腕を肩の高さ(90度)まで持ち上げます。
②測定者は、その状態の指先を0cmとし、目盛り付き磁石を水平に設置します。左右どちらの距離を測定してもかまいません。
③足を動かさずに、指先の高さを維持したまま目盛り付き磁石に沿って、できるだけ前に両手を伸ばします(つま先立ち可)。測定者は、バランスを保持できる地点までの指先の距離をcm単位で測定します。
④ゆっくりと開始姿勢に戻ります。(壁により掛かったり、身体をねじったり、前に踏み出した杯等は、再度測定を行います。)
⑤2回測定し、良い方の計測結果で評価結果を算出します。
【評価表】
評価値 1(高リスク) 5(低リスク)
~19cm 20~29cm 30~35cm 36~39cm 40cm~
4 閉眼片足立ち [静的バランス能力]
目を閉じた状態で片足立ちを行います。

【注意事項】
・ バランスを崩すこともありますので、周囲に物を置かず、補助者が立ち会い実施して下さい。
・ 2回測定し、良い方の値を測定値とします。2回目の支持足は同じでも変えても結構です。
・ 2分になった時点で測定を終了し、その方は2回目を省略します。
①測定終了の条件(目を開く、上げている足が支持足又は床につく、支持足が移動する、のいずれか)をあらかじめ伝えます。
②靴を脱いで、基本姿勢(写真左側)から片足を上げます。手は腰に当てても、広げても自由とします。
③被験者のタイミングで目を閉じ、スタートします。
④そのままの姿勢でできるだけ長時間立位を保ち、その最大保持時間を秒単位で小数点第1位(小数点第2位以下は切り捨て)まで計ります。
⑤2回実施し、良い方の計測結果から評価結果を算出します。
【評価表】
評価値 1(高リスク) 5(低リスク)
~7秒以下 7.1~17秒 17.1~55秒 55.1~90秒 90.1秒
5 開眼片足立ち [静的バランス能力]
目を開けた状態で片足立ちを行います。

【注意事項】
・ バランスを崩すこともありますので、周囲に物を置かず、補助者が立ち会い実施して下さい。
・ 2回測定し、良い方の値を測定値とします。2回目の支持足は同じでも変えても結構です。
・ 3分になった時点で測定を終了し、その方は2回目を省略します。
①測定終了の条件(手が腰から離れる、上げている足が支持足又は床につく、支持足が移動する、のいずれか)をあらかじめ伝えます。
②靴を脱いで、両手を腰に置きます。
③目は開けたまま、被験者のタイミングで片足を上げスタートします。
④そのままの姿勢でできるだけ長時間立位を保ち、その最大保持時間を秒単位で小数点第1位(小数点第2位以下は切り捨て)まで計ります。
⑤2回実施し、良い方の計測結果から評価結果を算出します。
【評価表】
評価値 1(高リスク) 5(低リスク)
~15秒以下 15.1~30秒 30.1~84秒 84.1~120秒 120.1秒
中央労働災害防止協会の「転びの予防セミナー」では、身体機能のほかに作業者自身の意識チェックを行い、両者の関係からリスク評価を行います。