検知管を用いた化学物質のリスクアセスメントガイドブック対象:有害性
平成27年1月、日本産業衛生学会が、「化学物質の個人ばく露測定のガイドライン」を作成しました。このガイドラインは労働安全衛生法のリスクアセスメントに特化したものではなく、リスクアセスメントやリスクマネジメントの対象となる全ての化学物質と全ての作業場を対象とした実用上のガイドラインです。
このガイドブックは、労働安全衛生法に基づくリスクの見積り方法の一つである「実測による方法」において、上記ガイドラインの考え方を大幅に取り入れた、「検知管を用いたリスクアセスメント手法」について説明するとともに、リスクアセスメントの基礎や検知管に関する基礎など、検知管を用いたリスクアセスメントを適切なものとするための基礎情報について紹介しています。
ガイドブック及び手法の特徴は次のとおりです。
特徴
- 簡易な測定法である検知管による測定を活用したリスクアセスメントのガイドブック。
- 個人ばく露測定の簡易版である。
- リスクアセスメントガイドブックは、作業場の事前評価からリスクの評価、リスク低減対策の検討まで、リスクの評価と管理全体の進め方が具体的に解説されている。
- 初心者向けでありながら、進め方を過度に固定化せず、実施者に一定程度の裁量が与えられている柔軟さがある。
- ばく露限界値や測定値を入力・評価するためリスクアセスメント実施支援シートあり。
- 測定値の他に、ばく露限界値・有害性等の情報は必要。
手法
- ばく露限界値、有害性等の情報、作業の内容等を調査・選定する。
- 検知管を用いてばく露濃度を測定し、測定条件や回数によって補正を行った後、リスク判定を行う。
注意点
- 検知管を用いた方法は、簡単な方法のため、専門家でなくても実施可能で、安価に実施できる等のメリットがありますので、リスクアセスメント手法の一つとしてご活用ください。