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建設業におけるリスクアセスメントのすすめ方

参考3

6 リスクアセスメントの実施手順

(3)リスク低減措置の検討及び実施

リスク低減措置の検討を行う場合、法令に定められた事項がある場合には、それを必ず実施するとともに、リスクの高いものから優先的に検討を行うことになります。

その検討・実施に当たっての安全衛生対策の優先順位は、以下のとおりです。

1

危険作業をなくしたり、見直したりして、作業の計画段階から除去又は低減の措置をとります。

2

機械・設備の防護対策の設置・手すり・囲いなどの設備的対策を行います。

3

教育訓練・作業管理等の管理的対策を行います。

4

保護手袋など個人用保護具を使用します。

リスクを低減させるための優先順位
1、作業の廃止・変更及び危険性又は有害性の低い材料の変更等により、本質安全化を採用する。 危険性又は有害性を除去又は低減する。
⇒リスクを除去する、危害の重大性を無くすか低減する。
2、保護柵、光線式安全装置、局所排気装置の設置、手すり・囲い・覆いなどの工学的な安全防護対策を採用する。 危険性又は有害性に接触しない又は接触できないようにする。
⇒リスクの可能性を無くすか低減する。
3、立入禁止措置、警報の運用、2人作業の採用、監視者の配置、マニュアルの整備、教育訓練などの管理的対策を採用する。 リスクの発生する可能性を軽減する。
措置内容により、危害の重大性が軽減することもある。
4、安全帯等の個人用保護具を使用する。
※この措置により1〜3の措置の代替を図ってはいけない。
作業者が適切に使用すれば、危害の重大性を軽減できる。

リスクを低減させるための優先順位

リスク低減措置の検討及び実施に当たっては、以下のことに留意する必要があります。

  1. [1] リスク低減措置の原則は、まず危険・有害な作業を取りやめたり、見直したりすることであること。
  2. [2] [1]による対策が難しいときは、設備的対策を検討し、さらに管理的対策を検討すること。
  3. [3] 個人用保護具による対策は、最後の対策であること。
  4. [4] リスク低減措置実施後に目的どおりのリスクに低減したかどうかの検証がリスクアセスメントの精度向上につながること。
  5. [5] 現状の技術上の制約等により、対応が困難な場合は、リスクが残り「残留リスク」となるが、「残留リスク」については、直ちに、作業者に対して周知すること。
  6. [6] 本来は本質安全化を目指すべきですが、時間やコスト等からできない場合は、「暫定措置」を実施し、設備等の改善・代替等の恒久対策の実施は、次年度以後の安全衛生管理計画などに反映させること。
  7. [7] 専門工事業者として単独で改善を進めることは容易でないことから、元方事業者や注文者の事業者と連携を取りながら、「先ず、やれることから少しずつ改善する」取組みが重要であること。
    なお、リスクの見積りと低減についての考え方の例を(図)のとおり示します。

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