(2)リスクの見積り
特定された危険性又は有害性に対して、リスクの見積り方法に基づきリスクの大きさを見積ります。リスクの見積りは、多様な観点から検討することでより適切な見積りができることから、極力複数の人で実施します。
また、リスクの見積りのメンバーは、作業内容を最もよく知っている職長や作業者が中心となり、店社の安全衛生リーダーや現場の安全衛生責任者は、資料を提供するとともに、必要な助言を行います。リスクの見積りのメンバーのリーダーは、意見の調整役に徹するように努めます。
また、リスクの見積りに当たっては、以下のことに留意しながら、メンバー間で意見を出し合い、話し合い、最終的にはメンバーの総意として集約します。これらの過程により、情報や認識が共有化されます。
- [1] 現在行っている作業の実態、安全対策を考慮すること。
- [2] 災害の事象(型)を考え具体的な負傷・疾病の重篤度を想定すること。
- [3] 過去に発生した災害の重篤度ではなく、考えられる最も高い(重い)重篤度で想定すること。
- [4] 可能性の評価に当たっては、危険性又は有害性に接触し、又は接近して災害になる度合を想定すること
- [5] 見積りの値は、記録等を分析した資料等に基づくものであり、説明のつくものでなければらないこと。
- [6] 見積りの値は、メンバーの中で、最もリスクを高く見積もった評価値を出した者からよく意見を聴き、メンバーの納得のもとに見積りの値を決定すること。
- [7] 見積もりした値がばらついた時は、メンバーの意見を十分調整すること。
- [8] 見積りの値は、平均点ではなく、メンバー間で話し合い合意したものを採用すること。