銀粉製造工場において、排液の容積を減らすための蒸発濃縮装置を洗浄する作業中、のぞき窓が破損し洗浄液(硝酸溶液)等が噴出し、これを浴びて2人が死亡、2人が負傷した
| 業種 | 無機・有機化学工業製品製造業 | |||||
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| 事業場規模 | 100~299人 | |||||
| 機械設備・有害物質の種類(起因物) | 化学設備 | |||||
| 災害の種類(事故の型) | 破裂 | |||||
| 被害者数 |
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| 発生要因(物) | 設計不良 | |||||
| 発生要因(人) | 憶測判断 | |||||
| 発生要因(管理) | 組合せては危険なものを混ぜる | |||||
No.101697
発生状況
| 銀を加工した銀粉を製造する化学工場において、製造中に発生する排液を産業廃棄物として排出するための処理をしていた。 |
| 排液中の水分量が多いためその容積を減らすために蒸発濃縮装置を用い、減圧下で加熱して濃縮していた。この濃縮操作の際、装置の壁面に銀が析出して伝熱性が低下するため、定期的に洗浄する必要があり、この洗浄作業中に本災害が発生したもの。 |
| 洗浄時は、析出した銀を溶解する硝酸溶液を蒸発濃縮装置に注入し、これを循環運転させていた。 |
| 作業員が洗浄状況をのぞき窓から目視で確認したところ、溶解が順調に進んでいないことに気がついた。そこで、硝酸濃度を上げるため、洗浄液の一部を抜き出した後、高濃度硝酸を添加しながら循環運転を続けていたところ、突然、のぞき窓が破損し、その窓から洗浄液(硝酸溶液)および、ガス(二酸化窒素など)が噴出した。これを浴びた労働者2人が死亡し、2人が負傷した。 |
| この破裂事故により、装置の点検用のガラス窓のほか、装置の一部が破損した。また、噴出した洗浄液によって、隣接していた計器室の壁材や扉、天井の一部が破損した。 |
原因
| ・ | 洗浄液に使用した硝酸は、各工程から回収した後に精製をした高濃度硝酸である。この硝酸は、ホルムアルデヒドやギ酸などを含んでおり、これらが銀とともに高濃度の硝酸中で加熱された結果、硝酸が反応して二酸化窒素などのガスが大量に発生した。 |
| ・ | 通常運転時は減圧とする装置であることから真空ポンプが設置されており、この真空ポンプにより排気がなされるが、ガスの発生量が真空ポンプの排気能力を上回ったことから、装置内の圧力が上昇し、強化ガラス製ののぞき窓の耐圧を超えて、のぞき窓が破損した。 |
| ・ | それに伴い、高圧となっていた容器内から洗浄液およびガスが噴出した。 |
対策
| ・ | 濃硝酸ではなく希硝酸を使用することにより反応速度を抑え、ガス発生速度を小さくする。 |
| ・ | 銀の析出を促進するために行っていた加熱をやめる。 |
| ・ | 硝酸中の不純物(ホルムアルデヒドやギ酸など)が発生ガス量を多くする作用があることから、洗浄用に使用する前にそれらの濃度を確認し、一定以上の場合には使用しない。 |
| ・ | 通常運転時は減圧とする装置であっても、異常時には正圧になる可能性を考慮し、安全弁などの圧力放出設備を設置する。 |
| ・ | 作業手順書から逸脱した作業は行わない。 |
厚生労働省