木造住宅のシロアリ駆除中に床下で感電
| 業種 | その他 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 事業場規模 | 16~29人 | |||||
| 機械設備・有害物質の種類(起因物) | その他の電気設備 | |||||
| 災害の種類(事故の型) | 感電 | |||||
| 被害者数 |
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| 発生要因(物) | ||||||
| 発生要因(人) | ||||||
| 発生要因(管理) | ||||||
No.100814
発生状況
| この災害は、木造個人住宅のシロアリ駆除作業中に発生したものである。
一般に、木造住宅のシロアリ駆除作業は、電気ドリルで柱等に穴を開け、その孔にシロアリの駆除液を注入し、その穴に木栓で蓋をする手順で行われている。 災害発生当日、朝7時30分から8時30分まで会社でミーティングが行われた。被災者は、班長と2人で5年前にも作業を行った個人住宅を担当することになり、午前9時頃に到着した。 到着後、シロアリ駆除液の調合や畳を上げて床板を外す作業を行い、午前9時30分頃から被災者は床下を、班長はその他を行う分担で駆除作業を開始した。 午前10時30分頃、班長が住宅の外回りの作業を終え、屋内の柱に穴を開け始めたときに、住宅の持ち主から「床下の換気扇が止まって、変な音がする」と言われたので、換気扇が壊れたのだろうと考え、床下にいる被災者に見てもらおうと声を掛けたが、返事がなかった。 しかし、声が届かなかったのだろうと思い、気にせずに自分で調べるため外に出て建物の床下に3個設置されている換気扇の1つの外側カバーを外してみたが、異常がなく、続いて2個目の外側カバーを外したところ、床下に倒れている被災者を発見した。 声を掛けたが返事がなかったので、近くにあった棒で軽く突いて見たが相変わらず返事がなかったので、所持していた携帯電話で救急車の手配をした。 それから1階和室の畳を上げて床下に入り、ほふく前進(高さが47cmのため) で被災者のところまで行き声を掛けたが、全く反応しなかった。 その後、救急車が到着し、被災者が救出されたが電撃症のため死亡していた。 なお、被災者の頚部に近い胸部と左上腕部に電撃痕があり、倒れていた近くには電気コードの巻きついた電気ドリル(100Ⅴ,4A)があった。 |
原因
| この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
| 1 | 換気扇の電源を切らずに狭い床下で作業を行ったこと 事故時の目撃者はいないが、被災者の周囲の状況から見ると、被災者は換気扇の近くの床下の柱に電気ドリルで穴を開けようとしたときに、電源を切っていない換気扇(100Ⅴ用)の配線にドリルを当てたため、配線が巻きついて絶縁被覆の一部が破れ、そこから電気ドリルに漏電し、左上腕部から胸部に掛けて通電したものと推定される。 なお、被災者は、つなぎの作業服、ゴム長靴、軍手、防毒マスクを着用していた。また、当時の気温は27.2度、湿度は 59%であった。 |
| 2 | 感電防止のための接地等を行っていなかったこと シロアリ駆除液の注入は、湿度の高い床下における作業があり、使用する電気機械器具に漏電があると感電の危険があるのに、専用の接地線を備えた3芯ケーブルを使用した接地等を行っていなかった。 |
| 3 | 感電危険等の安全衛生教育を十分に実施していなかったこと シロアリ駆除液そのものは人体に対する毒性は非常に低いとされているものであるが、注入作業に当たって防毒マスクの使用を行わせる等の教育は行っていたものの、感電危険とその防止方法に関するに関する教育等は実施していなかった。 |
対策
| 同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
| 1 | 漏電による感電防止措置を行うこと 湿潤した場所等で使用する可搬式または移動式の電動工具については、一芯を専用の接地線とする移動電線および専用の接地極を用いて感電防止のための接地を確実に行う。(安衛則第333条) なお、個人住宅の場合においても漏電遮断装置を設置している場合もあるので、作業開始前に確認し、確実な作動が確認された場合には別に接地する措置は省略できる場合もある。 |
| 2 | 狭い場所で作業する場合は他の電気機器の電源を遮断すること 床下での作業のように狭い場所で電気ドリル等を使用する場合には、誤ってそれらの配線を傷つけるおそれがあるので、特段の支障がない限りその電源をしゃ断することを住宅の持ち主等に依頼する。なお、この場合でもしゃ断したことを必ず確認する。 |
| 3 | 絶縁用保護具等を使用させること 湿潤した場所等で可搬式または移動式の電動工具を使用する場合には、1および2の措置を講ずるとともに、絶縁用手袋の使用、絶縁用ゴムシート・台の使用等を行う。(安衛則第334条) |
| 4 | 安全管理を実施すること 会社は、労働者の安全と健康を確保するために、定期および随時に安全衛生教育の実施(安衛則第35条)、作業手順の作成と周知徹底、機械器具の点検要領の教育等を行うとともに、管理者は定期あるいは随時に作業場所を巡視し、作業実態の把握と必要な指示・指導を行う。 |
厚生労働省