街路樹の枝切り中に、高圧配電線に触れ感電
| 業種 | その他の事業 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 事業場規模 | 1~4人 | |||||
| 機械設備・有害物質の種類(起因物) | 送配電線等 | |||||
| 災害の種類(事故の型) | 感電 | |||||
| 被害者数 |
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| 発生要因(物) | ||||||
| 発生要因(人) | ||||||
| 発生要因(管理) | ||||||
No.100813
発生状況
| この災害は、街路樹の枝切り中に高圧配電線に接触したものである。
災害発生当日、被災者は、所属する造園会社から、既に枝切り作業を終了したが発注者から手直しを指示された国道の街路樹5ないし6本の枝切り作業(3日のうち最終日)を指示され、作業指揮者を含め4名で現場に向かい、そこの現場でチャーターしたオペレーター付き高所作業車と警備員と合流した。 1本目の作業が終わり、午前8時45分頃に2本目(欅で高さ約14m)に取り掛かったが、木の根元から1.7m離れたところにある配電線(6,600V)の電柱に欅の枝葉が大きく被さっていて、高所作業車が近寄れなかった。 そこで、高所作業車のうえで枝切り作業を行っていた指揮者が、路上で落下した枝葉の清掃及び電柱周りの枝葉の枝切りを担当していた被災者に、高圧配電線にまとわり付いている枝葉を切り落とすよう指示した。 被災者は、最初、はしごを掛けて欅に登ろうとしたが、欅の幹が細く固定できなかったので、傍らにあった電柱に登り、10m付近の柱上開閉器付近において電柱及び欅を足場(両足及び左手の3点支持)に枝落としを始めた。 しばらくして、「ドン」という大きな音がしたので、同僚がその方向を確認したところ、被災者が欅の根元のところでうつ伏せに倒れていた。 直ちに、車で病院に移送したが、まもなく感電死と判定された。 |
原因
| この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
| 1 | 地中配電線の接続部に接触したこと
被災者の直前に行っていた作業の目撃者がいないが、柱上開閉器から地中配電線への接続部付近に切断した枝が引っ掛かっていたことから、その接続部(高さ11.5m)に接触し、その部分の絶縁(ねじ止めしてその上に絶縁被覆したもの)が十分でなかったため、電撃痕が残っていた右掌あるいは左手の肘から手首のいずれかの経路で電流が流れたものと推定される。 |
| 2 | 絶縁防護措置をしていなかったこと
感電の危険が高い高圧配電線に接近して作業を行うのに、電力会社に依頼して絶縁用防護具の装着をしてもらう等の措置を行っておらず、また、事業場ではその手順も定めていなかった。 |
| 3 | 安全管理を行っていなかったこと
事業場では、樹木の枝切り作業について感電危険の認識がなく、したがって、感電危険とその防止措置についての教育、安全な作業マニュアルの作成等の安全管理を実施していなかった。 なお、発注者は、夏季の樹木枝切り作業の説明会を開催するとともに、安全管理に対する研修、訓練の実施状況報告を求めていたが、何れも形式的なもので具体的な災害防止を含むものではなかった。 |
対策
| 同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
| 1 | 安全衛生教育を実施すること
街路樹の枝切り作業で配電線に接近して作業を行う者に対しては、あらかじめ感電危険についての知識の付与とその防止対策について十分に教育する。(安衛則第35条) また、枝切り作業の発注者は、発注に当たって感電防止のための措置、安全衛生教育の実施、作業マニュアルの策定等に知識と経験を有する者を選定するとともに、事前の説明会等においては単に枝切り場所、枝切り要領(出来上がり形状等)などばかりではなく、労働災害の防止、交通災害の防止等についても十分に説明する。 |
| 2 | 配電線等の絶縁防護措置を行うこと
高圧配電線およびその支持物に接近して樹木の枝切り作業を行う必要がある場合には、あらかじめ、電力会社等に依頼して絶縁用防護具を装着してもらうこと、監視人を配置すること等の措置を確実に行う。(参考:安衛則第349条) |
| 3 | 作業マニュアルの作成など安全衛生管理を実施すること
街路樹の枝切り作業については、樹木に対応した枝切り要領と併せて労働災害防止のためのポイントを併記した作業マニュアルを作成し、関係作業者に周知徹底する。 なお、発注者においては、この作業マニュアルのモデル等を作成しておき、受注者に参考として提供するとともに、随時作業場所を巡視し、必要な指導援助を行うことが望ましい。 また、事業者は、電気の専門知識を有し、かつ、教育訓練を受けた者以外の者が電柱に昇柱することは絶対に禁止するとともに、高所での作業に使用する高所作業車については作業計画等に基づいた適正なものを使用(チャーター等を含む)する。(参考:安衛則第194条の8~194条の28) さらに、事業者は、安全衛生についての知識を有する者を養成し、その者に安全衛生教育、作業マニュアルの教育訓練、作業場所の巡視等を行わせるとともに、自らも労働災害防止についての研鑽を行い、巡視等を実施する。 |
厚生労働省