スタッカー式クレーンで商品の棚卸し作業中に胸部を挟まれる
| 業種 | 倉庫業 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 事業場規模 | 16~29人 | |||||
| 機械設備・有害物質の種類(起因物) | 動力クレーン等 | |||||
| 災害の種類(事故の型) | はさまれ、巻き込まれ | |||||
| 被害者数 |
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| 発生要因(物) | ||||||
| 発生要因(人) | ||||||
| 発生要因(管理) | ||||||
No.100482
発生状況
この災害は、流通サービスセンター内においてスタッカー式クレーンで商品の棚卸し作業中に発生したものである。この流通サービスセンターでは、電気・電子機器部品、自動車部品、電線などを依頼を受けて保管管理し、依頼者の出荷指示に基づいて商品をトラックに積み込み配達しており、運送会社からの派遣社員がセンターの指示に基づいてトラック、クレーンなどの運転業務等を行っていた。
災害発生当日、派遣社員Aは、センターの事務員Bとともに倉庫内の商品の棚卸し作業を行うことになり、Aがスタッカー式クレーン(吊り上げ荷重4.6t,定格荷重2.5t)を運転しながら棚の商品数を数え、Bがデータシートと照合していた。
作業は順調に進んで4段x26列の全ての確認を終了したが、2つの商品の数に相違が出たので再度確認することになり、Aはスタッカー式クレーンを運転してその確認作業を行っていたが、Aの近くで別の棚卸し作業に従事していた作業者Cが悲鳴が聞こえたので振り返ってみると、Aが3段目のところで棚(ラック)の支柱とクレーンの荷台との間に胸部を挟まれていた。
そこで、直ちに消防署に通報し、Aはレスキュー隊によって救出されて病院に移送されたが、9日後に死亡した。
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。| 1 | クレーンの走行時に使用するフットスイッチを固定していたこと このスタッカー式クレーンは、運転室内でフットスイッチを踏み走行レバーを操作することによりレール上を前後に走行する方式になっていたが、被災者は作業能率を上げるためフットスイッチに工具箱(約2.7kg)を載せ、運転室を出て棚に出入りする荷台上でレバーを操作していたため、走行中にラックの支柱とクレーンの荷台との間に挟まれた。 |
| 2 | 無資格者にクレーンの運転を行わせたこと このスタッカー式クレーンの運転は、クレーン運転士免許の所持者または特別教育の修了者でなければできないのに、いずれにも該当しない者に運転を行わせていた。 |
| 3 | クレーンによる作業方法等が定められていなかったこと 倉庫内の棚卸し作業は定期的に実施されているが、倉庫を管理する事業者はスタッカー式クレーンによる作業の実態を把握しておらず、また、クレーン作業時における安全な作業方法などの定めや特別教育等を実施していなかった。 |
| 4 | 派遣元が派遣先の作業について把握していなかったこと 被災者を派遣している事業者は被災者など10名を超える労働者をこの会社に派遣していたが、作業内容を把握しておらず、作業に必要な安全教育なども実施していなかった。 |
対策
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要と考えられる。| 1 | スタッカー式クレーンの運転は有資格者に行わせること スタッカー式クレーンの運転については、吊り上げ荷重が5t以上の場合にはクレーン運転士免許を所持している者、5t未満の場合には特別教育を行った者に行わせなければならない。 なお、派遣労働者の場合には、運転免許に関しては派遣先の事業者が、特別教育に関しては派遣元または派遣先の事業者のいずれかが責任を持って行うことになっているので派遣契約の際に明確にしておくことが必要である。 |
| 2 | クレーン作業についてマニュアルを策定すること クレーン作業については有資格者に操作させることが重要であるが、クレーンの種類、作業場所、共同作業などの特徴に合わせた作業を行うことが重要であるので、禁止事項を含めた安全作業マニュアル等を策定するとともに、関係作業者に周知徹底することが必要である。 |
| 3 | 安全管理体制を整備し安全管理を実施すること 倉庫業における作業は、この災害のようにスタッカー式クレーンによる作業のほか、フォークリフト等の車両系荷役運搬機械を使用する作業に伴う危険や「はい」の崩壊、有害物による健康障害などの危険、有害要因が少なくないので、事業場として担当者の選任など安全衛生管理体制を整備するとともに、職場の巡回、必要な安全衛生教育などを実施することが必要である。 |
厚生労働省