ケーブルクレーンでコンクリートを打設中、巻上げ用ワイヤロープが切断してバケットが落下
| 業種 | 砂防工事業 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 事業場規模 | 1~4人 | |||||
| 機械設備・有害物質の種類(起因物) | クレーン | |||||
| 災害の種類(事故の型) | 飛来、落下 | |||||
| 建設業のみ | 工事の種類 | 砂防工事 | ||||
| 災害の種類 | クレーン等で運搬中のものが飛来・落下 | |||||
| 被害者数 |
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| 発生要因(物) | 防護・安全装置がない | |||||
| 発生要因(人) | 忘却 | |||||
| 発生要因(管理) | 欠陥のある機械、装置、工具、用具等を用いる | |||||
No.100439
発生状況
この災害は、砂防ダムの建設工事現場において、ケーブルクレーンを用いてコンクリート打設作業中、巻上げ用ワイヤロープが切断し、コンクリートバケットが落下して作業者に激突したものである。この工事現場では、山間部に治水用土留工(砂防ダム)を築造するため、材料等運搬用のケーブルクレーンが設置されていた。
しかし、このクレーンの運転場所(ウインチ操作位置)からは、山の上側に位置する作業現場付近は全く見えないため、運転場所と作業現場には集音マイクとスピーカが取り付けられ、相互連絡用に活用されていた。
災害発生当日、最後のコンクリートを打設するため、ミキサー車から生コンクリートをコンクリートバケットに移してクレーンで吊り上げ、所定の位置まで移動後、コンクリートを型枠に流し込んだ。
その後、被災者は、集音マイクを使い、巻上げの合図を運転者に送り、自分は他の作業を行っていたところ、数分後に巻上げ用ワイヤロープが切断して、フックブロックとコンクリートバケットが落下してきて被災者を直撃した。
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。1 クレーンの合図者が巻上げ停止の指示を運転者に行わなかったため巻上げ用ワイヤロープを巻き切ったこと
運転者はバケットの高さや作業状況を直接見ることができないので、合図者の指示に従ってクレーンの操作を行っていた。
2 ケーブルクレーンに、ワイヤロープの巻き過ぎ防止措置が講じられていなかったこと
3 運転者と合図者の間には相互連絡が不十分であったこと
相互連絡用に集音マイクとスピーカが取り付けられていたが、合図者が指示を一方的に運転者に伝えるだけで、双方向の連絡方法が適切でなかった。
4 合図者その他の作業者に対して十分な安全教育が実施されていなかったこと
合図者は、実務経験も浅く、巻上げ停止の合図を忘れて、吊荷の下に立ち入るなど安全に対する基本的な認識が不足していた。
5 法令事項が遵守されていないなど安全衛生管理体制が確立されていなかったこと
対策
この災害は、砂防ダムの建設工事現場において発生したものであるが、 同種災害を防止するためには、次のような対策の徹底が必要である。1 クレーンには巻過防止装置、巻過警報装置等の巻過ぎを防止するための装置を取り付けること
2 危険なつり荷の下へ立ち入り等を禁止すること
3 クレーン運転者は合図者の指示を確実に行うため、合図者の指示を復唱するなど双方向の連絡を行うこと
4 安全関係法令などを厳守するように、関係者に対し安全教育を十分に実施すること
5 作業マニュアルを作成して作業者に徹底するとともに、作業開始前の打ち合わせを励行すること
6 作業責任者は、指揮・監督を確実に実施すること
7 統括安全管理体制を整備し、元請、下請の間の連絡調整を十分に行うととともに、下請事業場の関係者作業者に対する安全教育などの指導援助、現場の巡視等を徹底すること
厚生労働省