建築工事のつり荷作業において移動式クレーンが転倒
| 業種 | 貨物取扱業 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 事業場規模 | 30~99人 | |||||
| 機械設備・有害物質の種類(起因物) | 移動式クレーン | |||||
| 災害の種類(事故の型) | 転倒 | |||||
| 被害者数 |
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| 発生要因(物) | 物の置き場所の不適切 | |||||
| 発生要因(人) | 憶測判断 | |||||
| 発生要因(管理) | その他の不安全な行動で | |||||
No.100239
発生状況
この災害はゴミ焼却場建設工事現場において、移動式クレーンが転倒して発生したものである。災害発生当日、吊り上げ荷重50トンの移動式クレーンを使用して、吊り荷である足場ジャッキベース約70個が入った鋼製かごを吊るために、上部旋回体をかごの方向に旋回させた。次に、主巻きを下げながらジブの長さを35mから40mに伸張した後に、ジブ起伏角を減少させたところ、過負荷状態となって移動式クレーンが自動停止した。そのため、運転者は過負荷防止装置が解除される角度までジブ起伏角を増加させた後に、玉掛作業者に補巻きフックに鋼製かごを玉掛けさせた。この状態で荷を吊り上げることが困難と判断した運転者は、補巻きを下ろしながらジブを起こす、いわゆる「横引き・引き込み」の方法で吊り上げた。その時、機体後方(つり荷側)に位置したアウトリガーフロートが敷板の上を水平方向にスライドするとともに鉛直方向に沈下して、機体が転倒した。このため、移動式クレーンのジブ等が損傷した。なお、作業者等に被害はなかった。
原因
この災害の原因としては次のようなことが考えられる。1 地盤が軟弱であったこと
移動式クレーンを設置した作業現場は、ゴミ焼却場建設工事現場内に設けられた仮設通路上であった。地盤の土質は粘性土であり軟弱であった可能性が考えられる。
2 横引き・引き込みの作業方法が適切でなかったこと
過負荷防止装置が作動する限界に近い状態で、「横引き・引き込み」による不適切な作業を行ったために、移動式クレーンが不安定化したことが考えられる。
3 オペレーターにクレーンの転倒に対する危険意識が欠如していたこと
横引きに伴って、機体後部のアウトリガーには大きな鉛直反力とともに水平反力が発生するが、地盤がこれに対して耐えうる強度を有していなかったことが考えられる。
4 移動式クレーンの転倒防止のための作業者に対する安全教育が十分に行われていなかったこと
対策
この災害は、ゴミ焼却場建設工事現場において、移動式クレーンが転倒して発生したものであるが、同種災害の防止のためには次のような対策の徹底が必要と考えられる。1 設置場所の地盤等について事前に十分調査し、調査結果に適応した安全な作業計画を策定すること。
移動式クレーンを設置する地盤については、アウトリガーが沈下することがないように対策を行う。沈下防止対策としての地盤の養生方法では、砕石置換による安定処理と覆工板の敷設の併用が必要である。また、地盤強度は天候の影響を受けやすいため作業開始前および作業中の状況確認が必要である。
2 作業計画を策定して、関係者に周知徹底すること。
作成した作業計画は、現場において実際に実行されることが重要である。関係作業者の意見も採り入れた実行性のあるものが望ましい。
3 安全衛生管理体制を整備すること。
4 安全衛生教育を実施すること。
厚生労働省