道路新設工事においてドラグ・ショベルで鉄板を移動中、鉄板が倒れ作業員が下敷き
| 業種 | 道路建設工事業 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 事業場規模 | 5~15人 | |||||
| 機械設備・有害物質の種類(起因物) | 整地・運搬・積込み用機械 | |||||
| 災害の種類(事故の型) | 崩壊、倒壊 | |||||
| 建設業のみ | 工事の種類 | 道路建設工事 | ||||
| 災害の種類 | 立てかけてあったものが倒れた等 | |||||
| 被害者数 |
|
|||||
| 発生要因(物) | 不適当な機械、装置の使用 | |||||
| 発生要因(人) | 近道反応 | |||||
| 発生要因(管理) | 合図なしに物を動かし又は放す | |||||
No.100061
発生状況
この災害は、農業用道路の新設工事現場において、ぬかるみ防止用の鉄板(3.10m×1.50m、厚さ25mm、重量約925kg)の移動のため玉掛け作業を行っていた作業員が倒壊した鉄板の下敷きになり死亡したものである。被災者は、ドラグ・ショベルを使用してぬかるみ防止用の鉄板を吊って移動させる作業を行うため、玉掛けワイヤロープをドラグ・ショベルのフックから外す作業をしていた。
ドラグ・ショベルの運転席からは、被災者の顔や下半身は見えたが、フックからワイヤロープを外す状況はバケットに隠れて見えなかった。しかし、ドラグ・ショベルのオペレーターは、被災者がワイヤロープを外したものと判断し、バケットを旋回させたところ鉄板が倒れ、被災者がその下敷きになった。被災者は腹腔内出血のため約15分後に死亡した。
原因
この災害の原因としては次のようなことが考えられる。1 ドラグ・ショベルを主たる用途以外の用途である吊り上げ作業に使用していたこと
2 荷の吊り上げ作業の時に一定の合図が定められていなかったこと。また合図者も配置されておらず、適切な合図が行われていなかったこと
3 ドラグ・ショベルのオペレーターが玉掛け作業をしている被災者の動きに十分な注意を払わなかったこと
4 被災者は玉掛け技能講習や、玉掛けの業務に係わる特別教育を終了していなかったため、玉掛けの業務に関する知識、技能が不十分であったこと
5 元請、協力会社の安全意識が低く、車両系建設機械等の機器の用途外使用が放置されていたこと
以上のように、作業管理及び作業場の管理面での問題が大きかったと言える。
対策
この災害は、ぬかるみ防止用鉄板の移動作業に従事していた作業員が倒れた鉄板の下敷きになったものであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要と考えられる。| 1 鉄板の移動作業など、荷の吊り上げ、吊り下ろし作業には、移動式クレーンを使用する。 やむを得ずドラグショベル等の車両系建設機械を使用する場合には、バケット等の吊り上げ用の器具を取り付けて使用するとともに吊り荷と作業員の接触、吊り荷の落下等による災害を防止するため、次のような措置を講じる必要がある |
|
| (1)合図者を定めてその者の合図のもとに作業を行うこと。 (2)平坦な場所で作業を行うこと。 (3)吊り荷への接触又は落下のおそれがある箇所に作業員を立ち入らせないこと。 (4)安全な玉掛け用具を使用すること。 |
|
| 2 この災害では、クレーンオペレーターが指示のないままに不安全な作業を行ったものであるが、その作業方法は、当日の午前中に行った作業と同種のものであり、ドラグシャベルの用途外使用によるこのような作業が、通常行われていたものと思われる。 車両系建設機械の用途外使用は非常に危険な作業で、原則として行ってはならない。作業の性質上やむを得ないとき又は、安全な作業の遂行上必要なときには、あらかじめ安全な作業方法について十分検討したうで、作業計画、作業手順を作成し、これに基づいて作業を行うことが必要であり、このことについて日頃からオペレーター等の関係者に指導啓発を行うことが大切である。 |
|
厚生労働省