道路トンネルの給気ダクトのクラック点検中に開口部から墜落
| 業種 | 道路建設工事業 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 事業場規模 | 30~99人 | |||||
| 機械設備・有害物質の種類(起因物) | 建築物、構築物 | |||||
| 災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
| 建設業のみ | 工事の種類 | 道路建設工事 | ||||
| 災害の種類 | 窓、階段、開口部、床の端から墜落 | |||||
| 被害者数 |
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| 発生要因(物) | 防護・安全装置がない | |||||
| 発生要因(人) | 無意識行動 | |||||
| 発生要因(管理) | 危険場所に近づく | |||||
No.100009
発生状況
この災害は、高速道路のトンネルに附設されている給気ダクトのクラック補修箇所の点検調整中に発生したものである。1 前年の8月に給気ダクトの天井部にヒビが入り、コンクリートの一部が欠損していることが判り、発注者より請負業者にその補修と補修箇所の追跡点検調査の依頼があった。
2 災害発生の前日、すでに補修が終了した報告をうけて、その追跡点検調査のため、請負業者の調査責任者の(A)、被災者(B)、被災者(C)及び補修工事を担当した(D)の4名が事前調査のがめ簡単な打ち合せの後、給気ダクトの横ダクトに入った。4名は、横ダクトの中の左右に分かれる分岐点から右側のダクトに入り、先端部まで行き、そこに設置されている整流板の奥まで入って、Aは手すり越しにヘッドランプと懐中電灯を照らし、縦ダクトとの交差部の状況、底部の状況を説明し、クラックの位置を特定する基点の位置を指示した後、左側のダクトにも5~6m程入って、そこで前方を懐中電灯で照らし、そこから地上に戻った。
3 災害発生当日の1月11日、Aは会議のため調査に行けなかったので、BとCの2名が、午前10時20分頃給気ダクト内に入り、調査を実施していた。午後6時30分頃になっても帰社しないので、Aと同僚2名の3名が給気ダクト内を探したところ、左側横ダクト先端の整流板の奥の縦ダクトとの交差部から約15.5m下の底部に墜落している被災者BとCを発見した
原因
この災害の原因としては、次のことが考えられる。1 被災者らは、左側横ダクトの先端部の整流板の奥に入り込み、そこが縦ダクト開口部となっていることを認識することなく、また、墜落防止用の手すりがなかったため、2名とも調査作業中に墜落したものと思われる。
2 前日の調査で調査責任者であるAが、クラックの位置を特定するための距離の基点を「横ダクトの分岐点から20m奥へ入った地点にある段差」にするよう指示したのに対し、災害発生当日に被災者らは、「横ダクト先端部にあたる整流板の奥に入ったところ」にしたため、整流板の奥まで立ち入ってしまい、わずかなスペースのところ(幅約0m~1.55m)から縦ダクトの底部に墜落したことがあげられる。
3 前日、調査責任者Aは、被災者らに左側ダクトの先端部には、手すり等墜落防止用の設備がないことを明確に説明していなかったことに加え、当日は調査に同行していないため、被災者らは縦ダクトの存在の位置と墜落の危険性を予見できなかったものと思われる。
4 調査中にヘッドランプと懐中電灯以外の十分な照明設備を用意していなかったこともあげられる。
対策
この災害は、給気ダクトのクラツク補修箇所の追跡点検調査中に発生したものであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。1 発注者においては、人の墜落可能性のある縦ダクトの手前には墜落防止用の手すり等の設備を設け、かつ、整流板の手前の箇所に立入禁止措置としての立看板等を設けること。2 事前に調査箇所の構造、周辺の状況等を図面等で関係者に確実に説明し、作業指示書等を用いて、調査範囲、基点の位置、調査方法、立入禁止区域等の指示を明確に行い、本人にそのことについて確認する等の措置を徹底すること。
3 発注者においては、墜落等の恐れのある箇所の手前の場所に、点検調査時のみに使用する照明用スイッチを設け、また、縦ダクト周辺を照らし出す照明設備を設けること。
4 作業方法等について作業開始前に危険予知活動の実施や安全教育を徹底すること。
5 発注者と請負業者との間で、再発防止のための協議会を設置し、同種の構造の給気ダクトの総点検と対策を検討すること。
厚生労働省