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労働災害事例

旋回したトラッククレーンのカウンターウエイトとアウトリガーボックスの間にはさまれて死亡

旋回したトラッククレーンのカウンターウエイトとアウトリガーボックスの間にはさまれて死亡
業種 木材伐出業
事業場規模 16~29人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 移動式クレーン
災害の種類(事故の型) はさまれ、巻き込まれ
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:-
不休者数:- 行方不明者数:-
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)

No.208

発生状況

当該現場では、元請の帳場、一次下請で現場責任者と伐木作業者五名、集材作業者四名、土場作業者六名、二次下請でトラッククレーン運転手一名、トラック運転手三名の二一名で作業を行っていた。
 山土場における作業は、運材作業が優先されており、造材業者の玉切り、検尺・巻立作業は運材作業の支障にならないように行われていた。被災者は、災害発生当日の午後、受入帳場他三名で午前に全幹集材された伐倒木の検尺、玉切り・寸目の作業を行っていたが、次の伐倒木が山土場まで運ばれて来るまでの間、手待ち時間があり、暖を取るために50メートル離れた焚火をしている場所に行った。
 その後被災者は、原木はいの傍に設置してあったトラッククレーンの側方に立ち入ったところ、原木積込みのため、原木はいの方向に左旋回したトラッククレーンのカウンターウエイトと左側後部アウトリガーボックスの間に狭まれ被災したものである。
 被災者の作業内容は前述のとおり、検尺及び寸目作業であり、加害物であるトラッククレーンの旋回範囲に立ち入る必要がなく、さらに、被災者は当現場に入る前は、フォークリフト、フォークローダー等の運転業務の経験があり、当該機械の可動範囲に立ち入ることによる危険性については十分認識があった。また、トラッククレーンの運転手の証言によると被災者との間で言葉を交す等の行為はなく、何故被災者が立ち入ったかは不明である。
 災害は、午後一番のトラック積み込み作業時に発生したもので、トラッククレーン後方にトラックを停車し一回目の積み込みを終え二回目の積み込みのため、トラック荷台上に位置していたグラップルを左旋回により原木はい方向に110度旋回したところ、トラック荷台上にいた運転手が、被災者がカウンターウエイトとアウトリガーボックスの間に狭まれているのを発見した。
 その間の被災者の行動を現認した者はいないが、現場の状況により判断すると、トラッククレーンが旋回を開始する前に立ち入ったとすれば、トラッククレーン運転席より被災位置が右側前方の視野内に入り、被災者を容易に確認することが可能であるが、トラッククレーン運転手が被災者の姿を確認していないので、旋回を開始する以前に被災位置に立ち入ったとは考えられない。
 トラッククレーンが旋回に要した時間は約5秒程度であったので、被災者は、トラッククレーンがグラップルを旋回させたこの5秒程度の間に被災位置に立ち入り被災したものと推定される。

原因

一、 トラッククレーンの旋回体の可動範囲に立ち入ったこと。
二、 右記可動範囲に立ち入る危険性があったにもかかわらず、誘導者を配置していなかったこと。
三、 不安全行動を防止するための安全教育が欠如していたこと。

対策

一、 現場における安全衛生管理について、作業者個々の判断に委ねられることのないよう管理体制の整備確立を図ること。
二、 林業機械(トラッククレーン等)による接触等の危害防止を図るため次の措置を講ずること。
(1) 機械の走行範囲及び荷役装置の可動範囲に作業者を立ち入らせないこと。
(2) 作業の性質上やむを得ない場合は、誘導者を配置し、その者の誘導により作業を行うこと。
三、 同一作業場所において、混在して作業を行う場合は、作業方法等についての打合せ連絡調整を徹底すること。
四、 集運材作業及び造材作業における作業標準の作成を行い、安全教育の実施により、周知徹底を行うこと。