原木の陸揚げ作業中の荷の落下
| 業種 | 港湾運送業 | |||||
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| 事業場規模 | - | |||||
| 機械設備・有害物質の種類(起因物) | 揚貨装置 | |||||
| 災害の種類(事故の型) | 飛来、落下 | |||||
| 被害者数 |
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| 発生要因(物) | ||||||
| 発生要因(人) | ||||||
| 発生要因(管理) | ||||||
No.158
発生状況
この災害は、岸壁に停泊中の貨物船N号において、N号の揚貨装置を用いて原木を陸揚げ作業中に発生した。揚貨装置のグラブバケットで原木二本をつかんでつり上げたところ、グラブバケットから原木が落下し、船倉内の作業者Aに直撃したものである。
当日の作業は、監督員Bの指揮のもとで、各班三名編成の三班により、午前8時30分より貨物船N号において、原木の陸揚げ作業を行っていた。
貨物船N号は、総トン数約7000tのバラ積船で、二つの船倉を有し、四基のデリック型揚貨装置が設置されていた。
原木の陸揚げ作業は揚貨装置を用いて行われた。
いずれの揚貨装置についても、制限荷重20t、作業半径18.5メートルであった。
各班は、班長のほか、揚貨装置の運転を行うウィンチマンと玉掛け等を行うホルダーにより編成されていた。
各班の班長は、船内荷役作業主任者として選任されており、その職務を行うほか、無線式リモコンによりグラブバケットのつかみ取り作業を担当していた。
また、ウィンチマンに対して無線機によりウィンチ操作の指揮を行っていた。
被災者Aは第一班の班長であり、監督員Bは第二班の班長を兼務していた。
午前中は、第一班は一号デリック、第二班は四号デリック、第三班は二号デリックをそれぞれ使用して、午前11時30分まで原木の陸揚げ作業を行った。
午後は、第一班は一号デリック、第二班は三号デリック、第三班は四号デリックを使用して、午後0時30分より原木の陸揚げ作業を開始した。
第一班は、陸揚げ予定の原木のほとんどについて、すでに午前のうちに陸揚げしており、午後からは、船倉の隅に残った原木の陸揚げ作業(いわゆる「スミ取り」作業)を開始した。
スミ取り作業の場合は、デッキが邪魔になり、直接グラブバケットで原木をつかむことができないため、船倉の隅の原木を移動させる必要があった。
このため、被災者AとホルダーCの二名が船倉内に入った。
ホルダーCが、ワイヤロープを用いて、船倉の船首側の隅にある原木を一本づつグラブバケットのフックに玉掛けをした。
その後揚貨装置を巻き上げ、原木の一端を持ち上げることにより、原木を引きずり出す方法で移動させた。
これを繰り返して、計三本の原木を移動させたあと、ホルダーCは船倉の船尾側へ退避した。
被災者Aは、リモコン操作により、移動させた原木のうち二本をグラブバケットでつかみ、船首側へ退避したあと、ウィンチマンに対して揚貨装置の巻き上げを指示した。
被災者Aがグラブバケットでつかんだ二本の原木は、それぞれ長さ約8メートルと約9メートルであった。
また、その重さの合計は8t程度であった。
被災者Aの指示により、原木が高さ約2メートルまで巻き上げられたときに、グラブバケットでつかんでいた原木が動いて交差状態になった。間をおかず、一本の原木が滑り落ち、下方にいた被災者Aを直撃した。
被災者Aは、落下してきた原木の下敷きとなり、死亡した。
原因
[1] グラブバケットによって原木をつかんだ状態が不完全であり、その状態について十分に確認していなかったこと。[2] 被災者の退避場所が不適切であり、被災者が、荷の落下による危険を及ぼすおそれのある箇所にいたこと。
対策
[1] グラブバケットによって荷をつかむときは、その荷の形状に応じて、荷の脱落を起こさないよう完全につかみ、確認すること。[2] 荷の下方は立入禁止とし、付近の作業者は、荷の落下による危険を及ぼすおそれのない箇所へ退避すること。
厚生労働省