電力用遮断器の試験後に残留電荷で感電
| 業種 | 重電機製造業 | |||||
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| 事業場規模 | 1000人以上 | |||||
| 機械設備・有害物質の種類(起因物) | その他の電気設備 | |||||
| 災害の種類(事故の型) | 感電 | |||||
| 被害者数 |
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| 発生要因(物) | 防護・安全装置が不完全 | |||||
| 発生要因(人) | 考えごと(悩みごと) | |||||
| 発生要因(管理) | 不意の危険に対する措置の不履行 | |||||
No.100636
発生状況
この災害は、電力用遮断器の開閉能力試験後にコンデンサの残留電荷で感電したものである。災害発生当日は、真空遮断器 (定格電圧24kV、定格電流2,000A)に交流18kVの電圧で通電し、約0.1秒で遮断して作動性能を検証する作業を試験の責任者である被災者と3名の担当者で行うことになり、最終試験は午後5時10分に実施されたがこのときに負荷コンデンサには32.08kVの残留電荷が測定された。
この試験終了後、測定係の者は、測定器から試験記録を出力して試験データをMOに保存し、電源を切断する操作を行っていた。
発電機の担当係は、発電機の停止操作を部屋に出入していた他の者に依頼して、自分は実験室2階にある更衣室に移動した。
発電機停止作業を引き継いだ者は、午後5時15分頃に、被災者に「発電機を停止するよ」と告げ、了解を得たのでパソコンで停止の操作をしてから室外にある発電機室に向かった。
被災者は、午後5時15分過ぎに、構内放送で「試験が定刻に終了しました」と放送した後、断路器のスイッチを切り測定室の北側の出入口から外に出た。 発電機の停止の業務を依頼された者が、移動途中で断路器の操作音を聞き、その後、発電機室の前まで移動したときに、第4ピット前から「ギャー」という悲鳴が聞こえたので、駆けつけたところ、被災者が試験のための仮配線のところで倒れていた。 測定室にいた被災者の上司も悲鳴を聞いて駆けつけ、試供品のインジケータを確認したところ、開放(切)の状態であったため、コンデンサの残留電荷を放電していないための感電であると直感し、他の者に測定室から試供品の遮断器を投入させたが命令端子がすでに抜かれていたため操作できなかったので、自分で試供品本体のレバーで投入操作を行い、被災者を救出したが電撃のため死亡した。 なお、被災者の左手袋、両足靴、仮配線のジョイント部の被覆には電痕が見られた。
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。| 1 | 移動ばしごの安全を確保すること 災害は遮断器の開閉能力試験後に発生したが、試験終了後には試供した遮断器を投入(閉)してコンデンサの残留電荷を放電してから試験のために配線したものを撤去するなどの手順になっているのに、遮断器を開放(開)のまま配線のジョイント部のボルト、ナットをスパナで外そうとして、コンデンサの残留電荷で電撃を受けたもの推定される。 なお、試験が終ってから当日中に配線を取り外すか否かの判断は、試験の責任者(被災者)が行うことになっていた。 |
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| 2 | 作業手順に沿った作業を行わなかったこと 配線の撤去は、 |
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| (1) | 測定室内で操作して試供品の遮断器を投入する。 | ||
| (2) | 試験実施区域内に点灯されている危険表示灯を測定室内から消灯する。 | ||
| (3) | 試験終了を放送する。 | ||
| (4) | 試験回路内の断路器を測定室内で操作して開放する。 | ||
| (5) | ピット内の機器を操作する命令信号の端子を測定室内の制御盤から外す。 | ||
| (6) | 測定室内に備え付けの検電器、絶縁用手袋を持って作業場所へ移動する。 | ||
| (7) | 検電器で作業箇所の検電を行う。 | ||
| (8) | 接地棒で作業箇所の設置を行う。 | ||
| (9) | 配線の撤去作業を行う。 | ||
| の手順で行うことになっていたが、(1)(6)(7)(8)の手順は明らかに省略されていた。 | |||
対策
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。| 1 | 作業手順を確実に履行させること 高電圧を用いた試験研究の業務、コンデンサが接続された電気回路の取扱業務は、その手順に少しでも誤りがあると致命的な傷害を受けることになるので、具体的な作業手順の作成とその作業手順を確実に履行させることが不可欠である。 |
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| 2 | 停電作業を行う場合は検電器具を用いて停電を確認すること 停電して電路(試験のための配線を含む)の取扱、支持物の取扱を行う場合には、次のことを実施する。 |
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| (1) | 開路した電路が電力ケーブル、電力コンデンサ等を有する電路については、安全な方法により残留電荷を確実に放電させる。 | ||
| (2) | 開路した電路が高圧または特別高圧であったものについては、検電器具により停電を確認する。 | ||
| また、誤通電、他の電路からの混触、誘導による危険を防止するため、電路を短絡接地する。(安衛則第339条関連) | |||
| 3 | 安全衛生教育を徹底すること 試験研究等の業務においては、電気配線を頻繁に取り付けあるいは取り外す行為が伴うが、慣れにより手順の省略等を行わないよう定期、随時に作業手順等に関する安全衛生教育を実施する。 また、作業開始前には、当日の作業に係る危害防止の措置について明確に指示するとともに、KY活動等によって作業者の安全意識の啓発を行う。 |
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| 4 | 安全管理を徹底すること 試験研究の業務は、高度の専門的知識、技術を有する者によって行われることが多いため、他の定常的な業務に比較して安全管理が希薄になる傾向があるので、その業務の最高責任者を中心として安全管理の基本の徹底、具体的な安全対策の実施等を行う。 |
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厚生労働省