河川の護岸工事で潜水作業中の潜水士が急浮上して肺破裂により死亡
| 業種 | 港湾海岸工事業 | |||||
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| 事業場規模 | 5~15人 | |||||
| 機械設備・有害物質の種類(起因物) | 異常環境等 | |||||
| 災害の種類(事故の型) | その他 | |||||
| 建設業のみ | 工事の種類 | 港湾海岸工事 | ||||
| 災害の種類 | その他 | |||||
| 被害者数 |
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| 発生要因(物) | 自然の危険 | |||||
| 発生要因(人) | 忘却 | |||||
| 発生要因(管理) | 上り方、下り方の誤り | |||||
No.100299
発生状況
この災害は、河川の護岸工事での潜水作業で発生したものである。この工事は、建設会社が受注した耐震護岸工事の第3次下請として、X社が水中作業での工事を施工したものである。
被災者は、護岸工事のため河岸に打ち込まれた鋼管矢板の水中部分に取り付けられたスタッドボルトにナットを取り付けるための潜水作業を15時30分頃から行った。
なお、作業箇所の水深は約4mである。
潜水には、潜水作業用のスーツを着用し、フーカー式潜水器を用いていた。
終業近くなった16時30分頃、被災者は、不足したナット補充のため浮上し、送気員からこれを受け取った後再び潜水した。その直後、被災者が排気の気泡を排出していないことに送気員が気づき、付近で潜水作業中を行っていた同僚に連絡し被災者を救出したが、すでに意識がない状態であり、回復しないまま死亡した。
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。1 被災者が、呼吸を止めて、急浮上したこと。
潜水深度3mの水中から息を止めて急速に水面に浮上したため、肺内の空気が圧力の減少に応じて膨張し、肺が破裂したものである。
2 被災者が潜水の経験が短いため、息を止めて浮上することの危険性を十分認識せず、また浮上時の呼吸法等に関する教育を十分に行わないまま潜水作業に従事させたこと。
3 潜水作業者が作業船へ昇降するタラップの水面下の長さが短くて使用しにくかったため、危険な自由浮上を行ったこと。
4 作業を行うにあたっての計画が不十分であり、作業時間に余裕がなかったこと。
5 元方事業場の統括安全衛生管理および下請事業場の安全衛生管理が不十分であったこと。
対策
この災害は、河川の護岸工事での潜水作業で発生したものであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。1 正しい浮上方法を徹底すること。
浮上中は、絶対に息を止めないこと。
2 潜水作業についての安全衛生教育及び訓練を実施すること。
潜水作業の危険性は、現場の状況や作業の内容によって著しく異なることから、基礎的な事項を含め、これから就業する現場の状況に応じた内容の安全衛生教育および訓練を行うとともに、状況の変化に合わせて随時、適切な作業行動がとれるように訓練する必要がある。
3 潜水作業の安全衛生管理体制を確立すること。
危険性の高い潜水作業の安全衛生管理を、現場の下請の潜水グループ任せにしないで、元方事業者としての安全衛生管理体制を確立して指導、援助を行うことが必要である。
4 適切な昇降設備を設置すること。
浮上を安全に行うため、使用しやすい箇所に、作業に適した構造の昇降用タラップを設置すること。
厚生労働省