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安全衛生キーワード(用語集)

安全衛生のキーワードで関心が高いものについて解説しています。

バックヤード

1 バックヤードとは

店舗のうち、売り場に供さないスペースのことをバックヤードといいます。小売業においては、商品置き場やパッケージングを行うスペースを指します。また、飲食店では、材料置場や厨房を指します。基本的に収益を生み出すスペースではありませんが、業務を効率的に行うために必要なスペースです。なお、英語のbackyardは「裏庭」を意味します。

2 バックヤードを中心とした作業場の安全化

厚生労働省による第12次労働災害防止計画では、労働者が第3次産業にシフトしたことにより、年を追うごとに小売業、飲食店、保健衛生業などの第3次産業が労働災害に占める割合が増加していることが指摘され、特に労働災害発生件数の多い小売業では、労働災害の多くがバックヤードで発生しているため、バックヤードでの作業の実態に着目し、危険箇所の見える化(危険マップによる危険箇所の表示等)、リスクアセスメント、KY活動等による危険の低減を事業場に求めています。

また、小売業で多い転倒災害や切れ・こすれ災害等を防ぐため、作業性、安全性、経済性に優れる安全靴や安全手袋などの保護具や安全装置の開発を促進し、普及させることも、バックヤードの安全化の実現のために必要です。

この他、第12次労働災害防止計画では、小売業での安全管理について、国内外の好事例を収集し、意識啓発・指導に活用するとともに、それらの事例をもとに、経営や業務管理に安全管理を組み込んだモデルを作成し、その普及を図ることとしています。

3 小売業の労働災害状況(平成25年)

バックヤードにおいて発生する労働災害が多い「小売業」で発生している労働災害(休業4日以上)では「転倒」が33.8%ともっとも多く、次いで「動作の反動・無理な動作」が12.8%、「交通事故(道路)」が11.8%、「墜落・転落」が11.1%、「切れ・こすれ」が8.7%と約1割ずつを占めており、転倒災害が占める割合が高いという特徴があります。

また、「小売業」における労働災害を年齢別に見ると「60歳以上」が件数、構成比とも増加しており、平成25年には3,175件と小売業全体の労働災害の4分の1を占めるに至っています。加えて年齢が上がるにつれて「転倒」の割合が大きくなり60歳以上では「転倒」が48.5%を占めています。

4 関連資料(法令、通達、ガイドラインなど)