安全衛生のキーワードで関心が高いものについて解説しています。
通常、電気配線や電気器具類には、電気が漏れないような「絶縁」という処理が施されていますが、漏電とは、絶縁体(電気や熱を通しにくい性質をもつ物質の総称)が劣化、破損したり、外的要因により導体(電気を通す物質)間が電気的に接続されたりして、目的の電気回路以外に電流が流れることをいいます。漏電は、電力の損失であるばかりか、火災や感電などの原因ともなり得る危険な現象です。
漏電には、以下のような原因が考えられます。
労働安全衛生規則「第2編安全基準第5章電気による感電の防止(第329条から第354条)」では、漏電もその一因である「感電災害」の防止を図るための条文が明記されており、第333条において、「漏電による感電の危険を防止するため、当該電気機械器具が接続される電路に、当該電路の定格に適合し、感度が良好であり、かつ、確実に作動する感電防止用漏電しゃ断装置を接続しなければならない」と定められています。
漏電遮断器は、漏電により異常な電流が流れると、0.1秒以下の速さで自動的に電気を切る装置です。分電盤に取付けることにより、電気設備・器具の漏電による事故・災害を防ぐことができます。
なお、1968年(昭和43年)に社団法人日本電気協会に設置された、電気技術基準調査委員会における内線規程専門員会にて制定された「内線規程※」は、その第1編3章の「保安原則」において、漏電遮断器について、その取付け方法、選定方法、施設場所、施設方法、停電警報装置について定めています。