安全衛生のキーワードで関心が高いものについて解説しています。
「労働災害防止計画」とは、労働災害を減少させるために国が重点的に取り組む事項を定めた5か年計画です。労働安全衛生法では、厚生労働大臣が、諮問機関である労働政策審議会の意見をきき、労働災害防止計画を定めるものとされています。
日本が高度成長期にあった昭和30年代後半から40年代前半にかけて、年間6,000人以上が労働災害によって命を落としていました。
そのため、厚生労働省では、昭和33年度に第1次の5か年間計画である「産業災害防止総合5か年計画」 を定め、労働災害を減らす取組を計画的に実施していくこととしました。その後、「労働災害防止計画」と名称を変更しながら、その時々の社会のニーズを踏まえて5年ごとに新たな計画を策定し、労働災害の防止を進めてきました。
労働災害防止計画に基づく取組の結果、労働災害は大幅に減少してきましたが、現在に至ってもなお、労働災害で亡くなる人は年間700人を超えており、業務上のけがや病気のため4日以上休業した人は、年間13万人を超えています。
このような現状を踏まえ、2023年度から2027年度までを計画期間とする「第14次労働災害防止計画」においては、多発している行動災害や労働災害が増加している業種における対策等を定め、取組を行っています。