安全衛生のキーワードで関心が高いものについて解説しています。
労働安全衛生法第59条第3項では、事業者は、厚生労働省令で定める危険又は有害な業務に労働者をつかせるときは、その業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行わなければならないこととされています。特別教育を必要とする業務は、アーク溶接や小型車両系建設機械の運転など49の業務で、労働安全衛生規則第36条に規定されています。
特別教育を行う方法は、企業内で行うほか、企業外で行う方法もありますが、労働者がその業務に従事する場合の労働災害の防止を図るものであるため、事業者の責任において、実施されなければなりません。
特別教育の具体的な内容は、安全衛生特別教育規程などにおいて、厚生労働大臣が科目や時間を定めています。また、特別教育の講師については、資格要件は定められていませんが、教育科目について十分な知識と経験を有する人でなければなりません。
なお、技能教習修了などの上級の資格を有する者やその業務に関する職業訓練を受けた者など特別教育の科目の全部又は一部について十分な知識や経験を有していると認められる労働者については、その科目について省略をすることもできます。
労働者が特別教育を受けている時間は労働時間となりますので、所定労働時間内に行うのが原則であり、法定労働時間外に行われた場合には割増賃金を支払う必要があります。また、企業外で行う場合の講習会費や旅費なども事業者が負担するものであります。
事業者は、特別教育を行ったときは、受講者や科目などについて記録を作成し、3年間保存しなければなりません。