安全衛生のキーワードで関心が高いものについて解説しています。
労働安全衛生法第61条では、事業者に対し、特定の危険業務については、都道府県労働局長の免許を受けた者や技能講習を修了した者などの資格を有する者でなければその業務に就かせてはならないと規定しています。
また、その業務につくことができる者が当該業務に従事するときは、免許証など、その資格を証する書面を携帯しなければなりません。
就業制限に係る業務と必要な資格は、労働安全衛生法施行令第20条並びに労働安全衛生規則第41条及び別表3において、次のとおりとなっています。
就業制限業務 | 必要な資格 |
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発破作業 | 発破技師の免許等 |
制限荷重が5t以上の揚貨装置の運転 | 揚貨装置運転士の免許 |
ボイラー(小型ボイラーを除く)の取扱い | 特級ボイラー技士、一級ボイラー技士又は二級ボイラー技士の免許若しくはボイラー取扱技能講習の修了(一定の業務に限る) |
ボイラー(小型ボイラーを除く)又は第1種圧力容器の溶接 | 特別ボイラー溶接士又は普通ボイラー溶接士の免許(資格により溶接できるものが異なる) |
ボイラー又は第1種圧力容器の整備 | ボイラー整備士の免許 |
つり上げ荷重が5t以上のクレーン(跨線テルハを除く)の運転 | クレーン・デリック運転士の免許又は床上操作式クレーン運転技能講習の修了(床上操作式クレーンに限る) |
つり上げ荷重が1t以上の移動式クレーンの運転 | 移動式クレーン運転士の免許又は小型移動式クレーン運転技能講習の修了(つり上げ荷重が5t未満のものに限る) (道路上の走行は、道路交通法による免許が必要) |
つり上げ荷重が5t以上のデリックの運転 | クレーン・デリック運転士の免許 |
潜水器を用いる潜水 | 潜水士の免許 |
ガス溶接等の作業 | ガス溶接作業主任者の免許又はガス溶接技能講習の修了等 |
最大荷重が1t以上のフォークリフトの運転 | フォークリフト運転技能講習の修了等 (道路上の走行は、道路交通法による免許が必要) |
機体重量が3t以上の整地・運搬・積み込み用又は掘削用の車両系建設機械の運転 | 車両系建設機械(整地・運搬・積み込み用及び掘削用)運転技能教習の修了等 (道路上の走行は、道路交通法による免許が必要) |
機体重量が3t以上の基礎工事用の車両系建設機械の運転 | 車両系建設機械(基礎工事用)運転技能教習の修了等 (道路上の走行は、道路交通法による免許が必要) |
機体重量が3t以上の解体用の車両系建設機械の運転 | 車両系建設機械(解体用)運転技能教習の修了等 (道路上の走行は、道路交通法による免許が必要) |
最大荷重が1t以上のショベルローダー又はフォークローダーの運転 | ショベルローダー等運転技能講習の修了等 (道路上の走行は、道路交通法による免許が必要) |
最大積載荷重が1t以上の不整地運搬車の運転 | 不整地運搬車運転技能講習の修了等 (道路上の走行は、道路交通法による免許が必要) |
作業床の高さが10m以上の高所作業車の運転 | 高所作業車運転技能講習の修了等 (道路上の走行は、道路交通法による免許が必要) |
制限荷重が1t以上の揚貨装置又はつり上げ荷重が1t以上のクレーン、移動式クレーン若しくはデリックの玉掛け | 玉掛け作業技能講習の修了等 |
前記2のように、就業制限業務に就くために必要な資格には、免許や技能講習の修了などがあります。
このうち、免許については、厚生労働大臣が指定する者(指定試験機関)が行う免許試験に合格すること等により取得することができます。
また、技能講習については、都道府県労働局長が登録を行った登録教習機関が教習を実施しています。