安全衛生のキーワードで関心が高いものについて解説しています。
職場で災害が発生した場合、災害を起こした原因として、使用していた機械や設備などが調査の過程で浮かび上がってきます。災害をもたらすもととなった機械、装置などを起因物と称し、災害分析や再発防止を図る上で重要なポイントとなります。特に、事故の型と組み合わせて分析することにより、より適切な再発防止対策を検討することができます。
起因物は、「動力機械」、「物上げ装置、運搬機械」、「その他の装置等」、「仮設物、建築物、構築物等」、「物質、材料」、「荷」、「環境等」、「その他」の8項目に大きく分類され、それを分けた26項目の中分類、さらにそれを細分した106項目の小分類に分類されています。
災害をもたらす直接のものは、いわゆる加害物であって、これは常に起因物とは限りません。例えば、人が墜落して被災した場合、その人が墜落する直前に作業していた場所が災害をもたらす不安全な状態であったことが考えられますが、この場合、これを起因物とし、人が墜落して激突した対象物、例えば、地面に落ちた場合は、地面が加害物となります。同様に、クレーンが動いてきて、つり荷に激突された場合、起因物はクレーン、加害物はつり荷となります。
(参考文献 労働災害分類の手引き 中災防発行)