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濃度基準値
1 濃度の基準
労働安全衛生規則第577条の2第2項(令和6年4月施行)において、一定程度のばく露に抑えることにより、労働者に健康障害を生ずるおそれがない物として厚生労働大臣が定めるものを製造し、又は取り扱う業務を行う屋内作業場では、当該業務に従事する労働者がこれらの物にばく露する程度を厚生労働大臣が定める濃度の基準以下にしなければならないと規定されています。
この厚生労働大臣が定める濃度の基準等は「労働安全衛生規則第577条の2第2項の規定に基づき厚生労働大臣が定める物及び厚生労働大臣が定める濃度の基準」(令和5年厚生労働省告示第177号。以下「濃度基準告示」という。)により定められています。
2 濃度基準告示
濃度基準告示では以下の内容を定めています。
- ばく露濃度の八時間時間加重平均値が八時間濃度基準値を超えてはならないこと。
- ばく露濃度の十五分間時間加重平均値が短時間濃度基準値を超えてはならないこと。
- 十五分間時間加重平均値が八時間濃度基準値を超え、かつ、短時間濃度基準値以下の場合には、ばく露の回数が1日の労働時間中に4回以内、かつ、間隔を1時間以上とするよう努めること。
- 八時間濃度基準値が定められ、かつ、短時間濃度基準値が定められていないものについて、十五分間時間加重平均値が八時間濃度基準値を超える場合には、十五分間時間加重平均値が八時間濃度基準値の3倍を超えないように努めること。
- 短時間濃度基準値が天井値として定められているものは、いかなる短時間のばく露でも短時間濃度基準値を超えないよう努めること。
- 有害性の種類及び影響を及ぼす臓器が同一であるものを2種類以上含有する混合物の八時間濃度基準値又は短時間濃度基準値については、換算値が1を超えないように努めること。
C=C1/L1+C2/L2+・・・
(C:換算値、Cn:物の種類ごとの八時間時間加重平均値又は十五分間時間加重平均値、Ln:物の種類ごとの八時間濃度基準値又は短時間濃度基準値)
- 濃度基準告示の対象となる物質と濃度の基準
3 技術上の指針
労働者のばく露の程度が濃度基準値以下であることを確認するための方法等に関して、「化学物質による健康障害防止のための濃度の基準の適用等に関する技術上の指針」(令和5年4月27日付け技術上の指針公示第24号)が公表されています。
4 関連資料(法令、告示、指針、通達、参考HP)