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ヒヤリ・ハット事例
天井クレーンで鋼板を吊り上げ中、巻き上げが止まらず、ワイヤーロープが切れて鋼板が落下した
天井クレーンで鋼板を吊り上げ中、巻き上げが止まらず、ワイヤーロープが切れて鋼板が落下した
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業種

金属製品製造業

作業の種類

天井クレーン作業

ヒヤリ・ハットの状況

 天井クレーン(つり上げ荷重20t)を用いて、鋼板を運ぶ作業をしていた。この天井クレーンは無線のペンダントスイッチで操作する。
 鋼板を吊って巻き上げを行っているとき、所定の位置でペンダントスイッチのボタンから指を放して停止しようとしたが、巻き上げが止まらなかった。その後、ワイヤーロープが切れて、鋼板が落下した。下に作業者はいなかったので被災者はいない。

原因

・クレーンの制御装置にある電磁開閉器の接点が固着したこと。
・巻過防止装置のリミットスイッチ(間接式)が固着していたこと。
・巻過防止装置のリミットスイッチ(直動式)が無効化されていたこと。
・非常停止操作が行われなかったこと。

対策

・クレーンの検査は、クレーン則及び定期自主検査指針に基づき、巻過防止装置の接触子、電磁接触器の接触子、継電器の接触片、コントローラ及び操作用開閉器などの点検を行い、劣化していた場合には交換すること。
・巻過防止装置は重要な安全装置であり、有効な状態で使用されるよう点検及び整備を行うこと。
・クレーンの定期自主検査を外部に依頼する場合は、必要な事項が実施されるよう具体的な指示をし、実施結果を確認すること。
・非常停止操作が確実にできるよう、定期的に訓練を行うこと。