金属製品製造業
穴あけ作業
金属加工用機械(ドリルマシン)を用いて、穴あけ作業を行っていた。この機械は、投入口から投入された鋼材を、事前にプログラムされたとおりに自動で穴あけ加工を行うものである。加工された鋼材は、自動的に排出口から排出される
作業者は、ドリルマシンの自動加工中に、前日に取り外していたドリルの刃を砥ぐため、砥ぎ機のほうに向かって歩いた。このとき、鋼材がドリルマシンから自動排出されて、ローラー台と鋼材の間に挟まれそうになった。
自動機械の危険箇所を作業者が通路として用いたこと。
鋼材の排出口は鋼材がないときには安全に見えるため、つい近道行動をした。鋼材が排出されるタイミングを見計らえば大丈夫と思っても実際にはタイミングを見計らうことは難しい。鋼材は大きな力で押し出されるため危険である。
・自動加工機械の危険箇所は、作業者が立ち入る必要がなければ、柵などにより立ち入れないようにすること。
・作業者が危険箇所に立ち入る必要がある場合は、インターロック付き扉などを設けること。
特に、ドリルマシンと砥ぎ機の間はドリルを砥ぐために定期的に行き来するので、近道行動するおそれがある。危険箇所に立ち入りできないようにすることにより、近道行動を誘発しないようにする。
・砥ぎ機の場所を操作盤側にするなど、ドリルマシンと砥ぎ機の間を安全にかつ遠回りせずに行き来できるようにすること。
・穴あけ加工とドリルの砥ぎ作業に関する作業手順を定め、安全教育を実施すること。
・事業場の安全管理の責任者は、作業者の不安全行動を現認したときには直ちに指導すること。