職場のあんぜんサイト

  1. ホーム
  2. 労働災害事例
  3. 労働災害事例(検索結果詳細)

労働災害事例

路上の覆工板をずらしてボーリング作業中、覆工板が落下

路上の覆工板をずらしてボーリング作業中、覆工板が落下
業種 その他の土木工事業
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) 作業床、歩み板
災害の種類(事故の型) 飛来、落下
建設業のみ 工事の種類 その他の土木工事
災害の種類 その他の飛来・落下
被害者数
死亡者数:− 休業者数:3人
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)

No.988

発生状況

災害発生当日の午後8時すぎから、作業者全員で道路中央部をバリケードとカラーコーンで囲み、作業現場を設置した。
 午後9時30分すぎに、作業現場にトラッククレーンを入れ、ボーリングマシンの設置作業とボーリングマシンのロッドを立坑に通すために覆工板をずらす作業を開始した。
 まず作業者4名で覆工板をずらす作業を行った。
 トラッククレーン(最大つり上げ荷重2.2トン)は作業者Aが操作した。
 作業者Bは覆工板の四隅に設けられている穴にフックをかけて、覆工板をつり上げた。
 作業者CとDは、覆工板をトラッククレーンで吊り上げ、その開口部に木矢板(長さ110cm、幅25cm、厚み2.5cm)を2枚重ねて架け渡し、トラッククレーンでつり上げた覆工板を少しずらして降し、フックを取りはずした。
 次に、トラッククレーンの荷台に乗せていたボーリングマシンを荷台からつり下ろし、開口部にボーリングマシンのロッドの先がくるように設置した。
 その後、午後11時頃、CとDがボーリングマシンのロッドの交換作業を行っている時に覆工板の下に重ね架け渡していた2枚の木矢板がはずれ、覆工板が4.1m下の立坑の底面に落下し、その上にいたCとDが共に墜落した。
 また、この時、立坑内部で薬液注入の流量計の確認のため、覆工板の真下付近にいた他社の作業者Eが同時に被災した。

原因

1 開口部の幅が1mあったにもかかわらず、長さが1.1mという余裕のない長さの木矢板を使用したこと。
2 木矢板にずれ止めの措置を行っていなかったこと。
3 開口部の下方の危険区域について立入禁止の措置を講じなかったこと。

対策

1 覆工板の下に架け渡す受材については、十分な長さと強度を有したものを使用するとともにズレ止め等の措置を行い、覆工板の落下を防止すること。
2 作業を行う開口部の下方等の物体の落下による危険のある区域については、立入禁止等の措置を講ずること。
3 現場責任者は、作業者が行った措置の安全確認を行うこと。
4 元方事業者は、関係請負人の作業間の連絡調整を十分に行い、危険な混在作業が行われないよう措置を講ずること。
5 現場の作業者に対して、安全教育を十分に実施すること。