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労働災害事例

フォークリフト後部から振り落とされその下敷きになる

フォークリフト後部から振り落とされその下敷きになる
業種 一般貨物自動車運送業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) フォークリフト
災害の種類(事故の型) 墜落、転落
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:−
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)

No.90

発生状況

(1) 被災前日、I産業(有)では(有)M石材工業へ輸送する墓石用石材8個を自社のトレーラー3台に積み込んだ。
(2) 被災当日、午前5時30分頃、被災者ほか2名は3台のトレーラーに分乗し(有)M石材工業に向け出発、午前9時頃、(有)M石材工業の資材置場に到着した。
(3) 直ちに、(有)M石材工業の所属作業者Hが運転操作する4トンカウンタバランスフォークリフトを用いて1台目、2台目のトレーラーの墓石用石材を降ろし終えた。
(4) 3台目である被災者が運転してきたトレーラーの墓石用石材を降ろすことになり、先ず1個目の墓石用石材(3.1×1.12×0.95メートル、重量約7.9トン)を降ろすことになった。墓石用石材の重量はフォークリフトの積載能力を超えているため、フワフワと後輪が浮いた状態になるため、被災者がフォークリフト後部にあるカウンタウェイトの窪みに足を掛け被災者自身がウェイト変わりになってなんとかトレーラより約5メートル離れた地点に降ろすことができた。
(5) 次に、2個目の墓石用石材(3.07×1.02×0.96メートル、重量約8.1トン)を降ろすことになり、トレーラー荷台よりフォークリフトのフォークに載せたが、1個目より重いため前傾したままであり、被災者とフォークリフト運転者の2名で近くにあった石材(0.6×0.32×0.1メートル、重量約71キロと0.45×0.24×0.17メートル、重量約69キロ)2個の合計重量約140キロをフォークリフト後部に載せ、更に、被災者がカウンタウェイトの窪みに乗ってトレーラーより約7メートル離れた地点まできたところ、またフォークリフトの後輪がフワフワした状態になったので、被災者は、自分のトラック荷台の後片づけをしていたKを手招きし、2名でフォークリフト後部にカウンタウェイトがわりに乗った。
(6) 荷降ろし予定地点まで到着し墓石用石材を降ろそうとした時、突然フォークリフトが前倒しした状態になり、その反動でフォークリフトの爪から墓石用石材が転がり落ちたことによって、フォークリフトはバランスが崩れ後ろへ約1.6メートル飛び跳ねた状態となり、その衝撃で上に乗っていた被災者と同僚のKは振り落とされた。
(7) 同僚のKは飛び降りて難を逃れたが、被災者は仰向けの状態でフォークリフトの下敷きになり被災した。

原因

(1) フォークリフトの乗車席以外の場所にカウンタウェイトがわりに乗車したこと。
(2) 最大荷重4トンのフォークリフトに許容荷重を超えた荷物を積載したこと。
(3) 最大荷重1トン以上のフォークリフト運転業務に無資格者を業務に就かせたこと。

対策

(1) フォークリフトには許容荷重を超える荷を積載しないこと。このため、運ばれてくる荷の重量に対応する能力のある荷役機械を用いる。
(2) フォークリフトには、乗車席以外には作業者を乗せない。
(3) フォークリフトの運転業務には法定の資格のある者を従事させる。
(4) 車両系荷役運搬機械を用いて作業を行うときは、作業計画を定め、当該計画により作業を行わせる。
(5) 作業指揮者を選任し、作業を指揮させる。