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ハチさされにより死亡

 
発生状況 〈事例1〉
 鉄道沿線の土手の草刈作業中、草むらよりスズメバチが飛び出して、作業者3名を刺した。刺された作業者のうち1名は、その場にうずくまり、失神状態となった。救急車で運ばれたが、刺された後約2時間で死亡した。
 作業者の服装は、Yシャツ・作業ズボンで安全靴をはき、ヘルメットを着用していた。
 災害発生日時は、10月中旬の午後0時35分ごろであった。
〈事例2〉
 作業現場から約1km離れた道具小屋に道具を取りに行ったところ、道具小屋の軒下にあったスズメバチの巣からハチが飛び出してきて、作業者の左手甲を刺した。作業者は、刺された左手の甲を押さえて、その場にしゃがみこんでしまった。直ちにマイクロバスで病院に運びこまれたが、搬送途中に容態が急変し、手・足の痙攣を起こし、意識がなくなってしまった。
 作業者の服装は、半袖・長ズボンで長靴をはき、ヘルメットを着用していた。
 災害発生日時は、8月中旬の午前10時ごろであった。
 毎年夏ごろに〈事例1〉〈事例2〉のような災害が発生している。
原因 〈事例1〉〈事例2〉に共通していることであるが、最大の原因は、ハチの巣を刺激したことである。災害が発生した時期は、ハチの巣の活動が最盛期であり、巣の防衛力が最大となっている。この時期に草刈機等で巣を刺激すれば、ほとんどまちがいなく働きバチに刺されることになる。
 次の原因としては、服装である。暑いからといって半袖や腕まくりをして肌を露出していたことである。スズメバチの針は鋭いので、衣類を通す場合もあるが、素肌のままでは無防備すぎるといってよい。作業を行うにあたって服装には注意を払いたいものである。
 さて、一般の人間がハチに刺された程度で死亡するかというと、そうではない。では、なぜ死亡事故が発生するかということが問題となる。
 多数のハチに1度に刺されて、ショック死する場合は別として、多くの災害は、1匹に刺されただけで発生している。
 この原因は、ハチ毒によるアレルギーである。人間は、体内に侵入してくるウイルスや細菌などから体を守るために、これらを攻撃する「抗体」を体内で生産する。この「抗体」は免疫機構として重要な役割を果たすが、それが逆にアレルギー反応の原因となる場合がある。
 普通の人では、問題はないが、人によってはアレルギー反応のもとになる「抗体」が生産される。この場合、最初にハチに刺された時に生産された「抗体」と新たに刺された時に注入されたハチ毒抗原とが、「抗原抗体反応」(アレルギー反応)を起こし、時には死に至ってしまうのである。だから初めてハチに刺された時にショック死する人は、ほとんどいない。従って、過去にハチに刺された際に、他の人と比べて症状が重かった人は、できるだけハチに刺される可能性がある作業には、従事しないよう心がけるべきである。
 参考までにハチアレルギーの症状を軽い順に紹介する。
[症状1]
 刺された所以外の場所にじん麻疹がでる。なんとなく全身がだるい。
[症状2]
 のどや胸が圧迫される。口喝、口内がしびれた感じがする、腹痛、下痢、吐き気がする、全身に浮腫ができる。
[症状3]
 呼吸が困難になり、声がしゃがれてくる。全身の力が抜け意識がはっきりしない。
[症状4]
 尿、便の失禁、意識障害、四肢の痙攣、じん麻疹あるいは血管性浮腫、等がみられる。アナフィラキーショックといわれる状態となる。
 症状4の場合には、救急措置をとらなければ死に至る。
対策 1 作業前にハチの巣の所在を知っている場合
 作業を開始する前に巣を取り除けばよいことは言うまでもない。
 春先は、女王バチが1匹で巣を作っているが、このころはほとんど危険がないので容易に巣を取り除くことができる。しかし、夏から秋にかけては巣の中の働きバチの数が最多となり、巣の防衛力が高まっているので、容易に巣を取り除くことはできない。この時期は専門家に巣の駆除を依頼するのが最も良い方法だと考えられるが、それが困難な場合にはハチの活動が終わった夜間、日没後2〜3時間後に行うのがよい。スプレー式の殺虫剤等を使用する方法がよく利用されているようである。
2 ハチの巣の所在が分からない場合
 ハチの巣の所在が分からない場合は、服装に注意することが最大の防止策である。一般にスズメバチは「黒」に強い攻撃性を示すことから「白」や「黄色」といった明るい服装とすることが望ましい。また、普通の状態では、ハチの針が突き通りにくいように、長袖、長ズボンを身につけ長靴等をはき、つばの広い帽子やヘルメットをかぶり、できるだけ肌や頭を露出しないよう心がけることが大切である。
 次に、いずれの場合にも共通のことであるが、ハチの巣の側では、巣を刺激しないように注意し、急な動作はできるだけ避けることが大切である。
業種 その他の土木工事業
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) その他の環境等
災害の種類(事故の型) 激突され
建設業のみ 工事の種類 その他の土木工事
災害の種類 その他
被害者数
死亡者数:− 休業者数:−
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.831
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