河川敷の草刈り作業中にアシナガバチに刺され、死亡
業種 | 河川土木工事業 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
事業場規模 | − | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | その他の環境等 | |||||
災害の種類(事故の型) | その他 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 河川土木工事 | ||||
災害の種類 | その他 | |||||
被害者数 |
|
|||||
発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.653
発生状況
甲河川の護岸工事にあたり、まず、河川敷の草の下刈り作業を行うことになった。作業者5名が、等間隔に横1列に並び、刈払機により下刈りをしながら前方へ進む方法で作業を始めた。
午前中、作業者A、Bの二2名が作業中に、左手首をアシナガバチに刺されたが、両名とも少々腫れる程度で身体に異常はなかったので作業を継続した。
午後3時の休憩が終了し、作業を再開したが、今度は作業者Cが左手首をアシナガバチに刺された。Cは、持参していたアンモニア水を左手首に塗布したが、痛みがとれなかった。そのため、約5mほど離れた甲川の中洲へ行って刺されたところを冷やしていたところ、突然その場に倒れてしまった。これを見ていた他の作業者たちは、Cを救出するとともに、救急車を呼んで病院に収容した。
なお、Cの服装は、保護帽・半袖・地下足袋で、軍手は支給されていたが、使用はしていなかった。また、災害発生当日は、7月中旬の真夏日であった。
後になって分かったことであるが、Cは、約5年前にハチ(種類不明)に刺されて入院したことがあるとのことであった。
原因
[1] 被災者は、過去にハチに刺されて入院した際に、ハチアレルギーの症状を持っていることが分かっていたにもかかわらず、当該作業に従事したこと。[2] 半袖で腕を露出したままで作業を行っていたこと。
[3] ハチ刺されに対する危険性の認識が薄かったこと等。
対策
[1] ハチに刺されるおそれのある場所で、作業を行うにあたっては、肌を露出しないように心掛け、長袖の作業着を着用し、軍手等をはめること。また、つばの広い帽子等をかぶり、頭を露出しないこと。[2] 過去にハチ刺されによってハチアレルギーの症状があった場合には、当該作業のようにハチに刺される危険がある作業に従事させないこと。
[3] 作業者に対してハチに刺された時の救急処置、ハチアレルギーの症状等についての教育を行うこと。