大型プレスに挟まれて圧死
| 業種 | 金属プレス製品製造業 | |||||
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| 事業場規模 | − | |||||
| 機械設備・有害物質の種類(起因物) | プレス機械 | |||||
| 災害の種類(事故の型) | はさまれ、巻き込まれ | |||||
| 被害者数 |
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| 発生要因(物) | ||||||
| 発生要因(人) | ||||||
| 発生要因(管理) | ||||||
No.646
発生状況
災害は自動車部品をプレス等で加工する事業場において発生した。発生当日、被災した作業者Aは、自動車部品のプレス加工ラインの最終の工程で作業をしていた。
Aは、プレス工として経験も豊富で、プレス作業主任者の講習修了者でもあり、知識も十分であったが災害に遭遇した。
Aの作業は、500トンのフリクションプレスで、自動車部品の成型加工を同僚のBと2人で行うもので、Bが金型1から金型2へ半製品を移動したものを、金型2から加工後取り出し、右手下の作業床の上へ積み重ねるものであった。
事故発生時、Bが金型1の上へ半製品をセットし、両手操作式押ボタンを押してスライドを起動させたところ、突然Aの叫び声が上がった。そこで、プレスベッドの反対側へ回って見たところ、Aが金型1の間で挟まれていて、大騒ぎとなった。
Aがどのような原因によって、金型の間で挟まれたかは、目撃者もなく不明であった。AとBは作業慣れしており、お互いに挙動を特に確認することなく、作業を繰り返していた。
このような事故を防ぐために、当該プレスには、安全装置として、両手操作式押ボタンスイッチと光線式安全装置が併用されており、事故発生直後のテストでも両装置は正常に作業することが確認された。
原因
[1] 光線式安全装置が、外乱光によって影響を受け、機能しなかったことが考えられるが、当該装置は光源に発光ダイオードが使用されており、影響は受けていなかった。[2] 装置の構造、取り付け方法について見たところ、安全距離の確保については、水平方向の距離については問題ないと判断されたが、鉛直距離(ボルスタから最下位置光軸及び光軸間)については、若干問題があり、これらのことが原因となって、水平と鉛直間隔で構成される空間からAの上半身が入ったが光線に触れず、作動しなかったことが判明した。
対策
[1] 光線式安全装置の取り付けに際しては、ただ取り付ければ良いということではなく、プレスのボルスタと最短位置の光軸とで構成される空間をふまえて、そこから身体の一部が危険限界に入らないように(光軸が遮断される。)光軸の設定(装置の取り付け)を行うことがプレスの安全対策として確保されねばならない。また、Aの上半身が危険限界に入ったことも原因となっているので、
[2] 作業標準に基づく適正な作業の遂行を心掛けるとともに、床のすべりの有無などをチェックし、不意の不安全動作が生じないように日頃から心掛けることが、特にプレス工場においては肝要である。
以上のような点からプレス災害の防止に当たっては、幾重にも安全確保の対策をからませて、これを的確に実践しつつ、安全作業に徹することが重要である。
厚生労働省