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労働災害事例

リーチフォークリフトと鉄製ラックの間に挟まれ

リーチフォークリフトと鉄製ラックの間に挟まれ
業種 倉庫業
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) フォークリフト
災害の種類(事故の型) はさまれ、巻き込まれ
被害者数
死亡者数:− 休業者数:−
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)

No.601

発生状況

本災害は、製品出荷のため、鉄製ラック間の狭隘な場所でリーチフォークリフトを用いた運搬作業を行っていた被災者が、リーチフォークリフトとラックの間に挟まれたものである。
 災害発生事業場は、倉庫業で、取引先の製品の一時保管および梱包・入出荷を行っていた。被災者は、通常、荷主からの入出荷の依頼を受け、作業者に対し作業指示を行っているが、自らもフォークリフトを運転し、運搬作業を行うこともあった。
 災害発生当日、被災者は、同僚Aとパレット上にラップで梱包された製品を2台のリーチフォークリフトを用いて、倉庫からプラットホームへ運搬する作業を行った。
 倉庫には、縦3段、横6列に仕切られた鉄製ラックが2列ずつ背中合わせで4列、計8列設置されていた。
 作業は、午前9時から始まり、被災者とAは、倉庫とプラットホームを交互に行き来する状況であったが、午前11時頃、プラットホームから戻ったAが、リーチフォークリフトとラックの棚板の間に挟まれている被災者を発見した。
 リーチフォークリフトは、最大荷重0.8t、運転席に立って乗る方式で、リーチ部を収納した時の全長は1.8m、運転操作盤およびヘッドガードの高さは、それぞれ、1.25m、2.05mであった。また、ヘッドガードは、運転操作盤前部の支柱2本により支持されており、運転席後部には、支柱等はなかった。また、ラック間の通路の幅は、2.8mで、ラックの1段目の棚板の高さは、1.4mで、リーチフォークリフトの運転操作盤より15cm高くなっていた。
 被災者は、方向転換のためリーチフォークリフトを後退させた際に、後退させすぎて、ラックの棚板と運転席操作盤の間に挟まれたものと推定される。
 なお、本作業については、作業計画として、運搬経路は定められていたが、荷役、方向転換等の作業方法は、具体的に定められていなかった。また、被災者は、フォークリフト運転技能講習を修了していた。

原因

1 鉄製ラックの棚板の高さがリーチフォークリフトの運転操作盤より高いため、運転操作盤が棚板の下側に入ってしまったこと。
2 ラック間の通路の幅が狭く、余裕をもってリーチフォークリフトの方向転換ができなかったこと。
3 作業計画として、荷役、方向転換等の作業方法は、具体的に定められていなかったこと。

対策

1 鉄製ラックの棚板の高さをリーチフォークリフトの運転操作盤の高さより低くし、運転操作盤が棚板の下側に入らないような構造とすること。
2 ラックを移動させる等により、ラック間の通路の幅を広くし、余裕をもってリーチフォークリフトの方向転換ができるようにすること。
3 作業場所の広さ、使用するフォークリフト、荷の形状等に適応する作業計画を具体的に定め、作業者に徹底すること。(1および2の対応も、併せて、検討、実施すること。)