地上40mの仮設ステージからパイプサポートが落下
業種 | 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事業 | |||||
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事業場規模 | − | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | その他の仮設物、建築物、構築物等 | |||||
災害の種類(事故の型) | 飛来、落下 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事 | ||||
災害の種類 | その他の飛来・落下 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.450
発生状況
この災害は、マンション新築工事現場において解体した型わく材(パイプサポート)の搬出作業中に発生した。被災者Aは、事業主Bと落ち合うために、同マンション南側に設置されたロングスパン工事用エレベーター乗降口近くにあった段ボール箱に腰をかけて待っていた。AとBは、同工事現場で室内のクロス張り作業を行うことになっていた。
Aが、腰掛けていた場所の上方、マンション15階(地上40m)のベランダには、仮設ステージが設置されており、そこでは、D社の作業者7名が、解体した型わく材(パイプサポート)の搬出作業を行っていた。
D社の作業者Cが、建物側仮設手すりにパイプサポート2本を立てかけたところ、パイプサポート1本が仮設ステージの手すりと建物側仮設手すりとの幅30cmのすき間から落下した。
パイプサポートの上部(差し込み管:長さ120cm、重さ4.5kg)は、エレベーター乗降用スロープの手すりに当たった後、大きくはね返り、南西方向へ飛んだ。
その直後、Aがエレベーター乗降用スロープのわきで、血を流してうつ伏せに倒れているのを発見され、Aの近くにパイプサポートの下部(腰管:長さ120cm、重さ5.0kg)が落ちていた。
災害発生時の目撃者はいないが、状況から判断すると、落下したパイプサポートのうち、下部がAに当たったものと推定される。
なお、被災者の保護帽は、Bが資材とともに工事現場に持ち込むことになっていたため、災害発生時、被災者は保護帽を着用していなかった。
原因
[1] 仮設ステージの下には、エレベーター乗降口およびベランダ1階への出入口があり、仮設ステージの手すりと建物側仮設手すりとの幅30cmのすき間から物の落下により作業者に危険をおよぼすおそれがあるにもかかわらず、安全ネット等の落下防止措置をとっていなかったこと。[2] パイプサポートを手すりに立てかけるなど不安定な置きかたをしたこと。
[3] 被災者が保護帽を着用していなかったこと。
対策
[1] 安全ネット等の落下防止措置をとること。[2] 工事現場内では、保護帽を着用させること。
[3] 労働災害防止に配慮した作業手順を作成し、周知徹底すること。
[4] 危険予知訓練等の安全教育を行って、安全意識の高揚を図ること。