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労働災害事例

フォークリフト運行中、作業者をひく

フォークリフト運行中、作業者をひく
業種 一般貨物自動車運送業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) フォークリフト
災害の種類(事故の型) 激突され
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:−
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)

No.39

発生状況

(1) 作業の概要
 D運送会社において、自社構内に仮置きされていた木製平パレット(両面使用形、大きさ145×115cm、重さ55kg)36枚を同社の他の荷役作業場へ輸送する臨時的な作業であった。
 この作業は、同社の4tトラック(運転者A)と2tカウンタバランスフォークリフト(運転者B、経験10年)を使用して行われた。(積付けはBの単独作業)
 平パレットは荷物仮置場に12枚づつ重ねて積まれており、三つの山を形成していた。荷物仮置場は構内の幅10mの舗装通路に面しており、対面には荷物倉庫があって現場周辺には作業者5名が就労していた。
(2) 発生状況
 当日、午後のかかりにフォークリフト運転者Bはパレットをトラックに積付ける作業を行った。このときトラックは倉庫の前面を避けて約30m離れた位置に停車していた。
 Bはパレットの一山ごとに最下層のパレットにフォークを差し込み、荷積みし、構内通路を走行してトラックに積付けを行った。
  作業は順調に進んだ。最後のパレット一山を荷積みし、マストをいっぱいにティルトし、フォークを地上より25cmの位置にした姿勢をとって、通路上を前進走行(時速4km)でトラックに向っているとき、フォークリフトの左前輪が何かに乗り上げたショックに気付き急停車した。直ちにフォークリフトから降りて確認したところ、フォークリフトの車体下に被災者Cが倒れていた。(ほとんど即死状態)
 このとき、フォークリフトに荷積みしていたパレットは12段積みで全体の荷姿は、前方からの幅145cm・側方からの幅115cm、高さは156cmの大きさであり、運転席からの視野は不良で前方・側方の下部は殆ど見えない状態であった。
 一方、被災者Cは構内作業者(雑役)として就労しており作業場所も一定しておらず、被災時の行動も詳らかでないが、倉庫のかげから通路に出てきたものと推定される。

原因

(1) この作業は臨時的なものであっても、現場作業に適応する作業計画・作業方法により作業を行わせていなかったこと。
(2) フォークリフトの積荷が大きく前方の見通しが悪い状況のなかで、誘導者をつけるか又は後進走行をしなかったこと。
(3) 被災者の行動は詳らかでないが、トラック・フォークリフト等が行き交う通路を不用意に通行したことも考えられる。

対策

(1) 車両系荷役運搬機械(フォークリフト等)を用いて作業を行うときは、作業に適応する作業計画を定め、作業方法を示して行わせること。
(2) フォークリフト作業では前方視野を良くするため、一回に運ぶ荷物の大きさ等を考慮した荷積みをすること。
(3) 積荷が大きく視界を著しく阻害するときは、誘導者をつけて、その者の合図により運行するか、後進で走行する。
(4) フォークリフトを用い作業を行うときは、荷役現場・運行経路における作業者の接触の危険防止のため、立入禁止等について周知すること。
(5) 関係作業者にフォークリフト作業の安全教育を徹底すること。
(6) 構内通路における運行・通行安全対策を講ずること。