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労働災害事例

砂の洗浄、選別場でベルトコンベヤーにはさまれる

砂の洗浄、選別場でベルトコンベヤーにはさまれる
業種 砂利採取業
事業場規模 5〜15人
機械設備・有害物質の種類(起因物) コンベヤー
災害の種類(事故の型) はさまれ、巻き込まれ
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:0人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 防護・安全装置がない
発生要因(人) 場面行動
発生要因(管理) 不意の危険に対する措置の不履行

No.100650

発生状況

 この災害は、山から採取した砂を洗浄しコンクリートの原料、ゴルフ場の砂などに使用する砂を出荷している工場で発生したものである。
 砂を洗浄、選別する工程は、山から採取してきた砂をベルトで運び、洗浄機械(らせん状の鉄の板が付いた軸が回転する)で砂を下から上にあげながら洗浄・選別し、配管用、建材用、ゴルフ場用として選別し使用するようになっている。
 災害発生当日、第2工場の洗浄機械の運転者である被災者は、工場長の指示を受けて午前6時30分頃から第1工場の機械の運転者である課長と2人で、砂がベルトの流れと逆方向に落ちないように設置されているスカートゴムが低気温のため凍っていてベルトとヘッドプーリーが空回りする可能性の有無を点検した。
 点検が終わって、午前7時からベルトコンベヤの空回しを行った後、洗浄作業を開始したが、30分ほど経過したときに第1工場の「脱水ふるい」が故障したので、2つの工場とも機械を止めて被災者も加わって修理を行い、午前9時から洗浄を再開した。
 午前10時35分頃、課長は、被災者に「午前11時に砂の製品を取り替える」と指示し、午前10時45分頃、製品の切り替えのためには5分前に量を絞る必要があることから被災者に無線で連絡しようとしたが、応答がないのでダンプトラックの運転者に第2工場内を見回らせたが見当たらなかった。
 午前11時になっても被災者が見当たらないので、課長が第2工場内(ヤード)を回っていたところ、ベルトコンベヤーが1基停止しており、被災者がコンベヤーのテールプーリー側(駆動モーターの付いていない側のプーリー)のローラーとコンベヤーを固定する台との間に身体を挟まれ、逆立ちしたような形で砂に埋まっているのを発見した。
 直ちに、砂を掻きだして救出したが、死亡していた。

原因

 この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1  ベルトコンベヤーに溜まった砂を掻き出そうとしたこと
 被災した時の目撃者はいないが、事故後の状況から推定すると、課長から午前11時に砂の製品替えを行うとの指示を受けたので、次の作業を円滑に行うため、稼動していたシュート付近の状況を確認しに行ったところ、テールプーリー付近に砂がかなり堆積していた。
 そこで、スコップで砂を取除こうとして近づいたときに、ローラーとコンベヤーの固定台との間に頭部をはさまれ、その後コンベヤー固定用のアングルが外れていたため砂が多量に被災者の上に落下し埋没したものと推定される。
2  機械の操作スイッチが近くにないため稼動したまま危険箇所に接近したこと
 洗浄機械などの操作スイッチは、機械からかなり離れた位置にある変電設備のところにまとめて設置されているため、一人作業の場合には機械を停止せずに危険箇所に接近する可能性が高かった。
 また、洗浄機械には、非常の場合に機械を停止する装置も取り付けられていなかった。
3  ベルトコンベヤーの回転部分が防護されていなかったこと
 ベルトコンベヤーのベルト用プーリーなどに接近して作業を行う場合に、巻き込まれる危険ある箇所に覆い等が設けられていなかった。
 また、稼動していた機械に接近して砂の掻き出し等を行う場合の作業手順も定められていなかった。

対策

 同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1  機械設備の回転部分には覆いを設け、給油等は機械を停止して行うこと
 機械の原動機、回転軸、歯車、プーリー、ベルト等で作業者に危険を及ぼすおそれのある部分には、覆い、囲い、スリーブ等を設置する。(安衛則第101条関連)
 なお、上記の措置が講じられるまでの間は、立ち入り禁止区域を設定し、標示を行って作業者等の立ち入りを禁止する。
2  機械の掃除、給油、検査、修理等の作業は機械を停止して行うこと
 機械の掃除、給油、検査、修理等を行う場合には、機械の運転を停止して行う。(安衛則第107条関連)
 そのためには、機械設備の原動機等の操作スイッチは、できるだけ作業箇所の近くに設ける。
 また、巻き込まれ等の危険が大きい機械設備については、非常停止装置を取り付ける。
3  作業手順を定め教育訓練を実施すること
 回転する機械等の掃除、給油、検査、修理等の作業あるいはそれに接近する作業については、安全な作業のための手順を定め、教育訓練を行って関係作業者に徹底する。
4 安全管理体制を整備すること
 作業者数が10人以上50人未満の事業場では、安全衛生推進者を選任し、安全管理計画の作成、作業手順の作成、機械設備等の点検基準の作成、安全衛生教育の実施、作業場所の巡視等の職務を行わせる。(安衛法第12条の2・安衛則第12条の2関連)
 また、経営トップは、自らも定期あるいは随時に作業場所を巡視し、作業状況等の確認と必要な指示を行う。