転倒した小型移動式クレーンと欄干との間に挟まれる
| 業種 | 橋梁建設工事業 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 事業場規模 | 5〜15人 | |||||
| 機械設備・有害物質の種類(起因物) | 移動式クレーン | |||||
| 災害の種類(事故の型) | はさまれ、巻き込まれ | |||||
| 建設業のみ | 工事の種類 | 橋梁建設工事 | ||||
| 災害の種類 | 移動式クレーン | |||||
| 被害者数 |
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| 発生要因(物) | ||||||
| 発生要因(人) | ||||||
| 発生要因(管理) | ||||||
No.100617
発生状況
この災害は、橋梁の塗装作業に使用したつり足場材の撤去作業中に発生したものである。災害発生当日、鳶専門業を営む被災者は、橋梁下部の塗装工事に使用したつり足場材の撤去・搬出作業を3次下請として労働者4名とリースした車両積載型移動式クレーン(つり上げ荷重2.93t)を現場に持ち込んで作業を開始した。
作業は、各橋脚頭頂部に集積した足場材をバケットを使用して、橋上につり上げるもので、途中で休憩を挟み3箇所からのつり上げ作業を終えた。
午後4時頃、被災者は次のつり上げを行うため、移動式クレーンをつり上げ箇所に移動し、アウトリガー(2本)を最大に張り出して設置した。
次いで、被災者は、鋼製バケットにワイヤロープ2本で玉掛けし、移動式クレーンの無線装置を操作して2人の作業員が待機する場所に鋼製バケットを降ろした。
解体したつり足場部材を鋼製バケットの中に入れた作業員から巻き上げの合図があったので、被災者は無線を操作して巻き上げを開始し、鋼製バケットが欄干を傷つけないよう片足でバケットを支えるようにしながら巻き上げを続けたが、突然、移動式クレーンが転倒し、被災者は運転席と欄干との間に挟まれた。被災者は心肺挫傷のため死亡した。
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。| 1 | 定格荷重を超えて荷をつり上げたこと 使用していた車両積載型移動式クレーンのつり上げ荷重は2.93tであるが、災害発生時の作業半径は7.2mで、この場合の定格荷重は0.7tであったにもかかわらず、鋼製バケットの質量を加えて総質量約1tの荷をつり上げたため転倒した。 なお、被災者は、昼の休憩時にアウトリガーが浮き上がったと話していた。 |
| 2 | 無資格者が移動式クレーンの操作を行ったこと この小型移動式クレーンは、つり上げ荷重が1t以上5t未満のもので運転技能講習を修了していることが必要であるが、被災者は講習を修了した者ではなかった。 また、同社の他の作業員にも技能講習を修了した者はいなかった。 |
| 3 | 作業計画を作成せずに作業を行ったこと この作業は、重量物をつり上げ搬出するものであったが、あらかじめ作業計画を作成せず、また、移動式クレーンの運転資格者がいないのにリースして安易に操作を行っていた。また、元方事業者および2次の下請業者も作業計画や運転資格についての指示・指導を行ってはいなかった。 |
対策
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。| 1 | 作業計画を定めて作業を行うこと 重量物のつり上げ、搬出を行う場合には、あらかじめ、周囲の地形、つり上げ回数等を検討して移動式クレーンの機種、能力、労働者の配置等を含めた作業計画を作成して作業を行う。(クレーン則第66条の2関連) |
| 2 | 移動式クレーンの運転は有資格者が行うこと つり上げ荷重1t以上5t未満の移動式クレーンの運転は、小型移動式クレーン運転技能講習を修了した者、または、移動式クレーン運転免許を有するものが行う。(安衛則第61条・令第20条関連) また、移動式クレーンを使用して作業を行う場合には、荷重計、荷重指示計を確認しながら操作し、定格荷重を超える荷重をかけて使用しない。(クレーン則第69条関連) |
| 3 | 統括安全管理等を実施すること 元方事業者は安全協議組織を設けて関係請負人との連絡調整を行うとともに、下請事業場の持ち込む移動式クレーン等の機械設備の定期自主点検の有無、就業制限業務についての有資格者の確保状況を確認する。(安衛法第30条関連) |
厚生労働省