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労働災害事例

採石現場において切羽から崩壊した岩石に激突される

採石現場において切羽から崩壊した岩石に激突される
業種 採石業
事業場規模 16〜29人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 石、砂、砂利
災害の種類(事故の型) 激突され
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:0人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)

No.100564

発生状況

 この災害は、採石現場において発破(はっぱ)のため穿孔(せんこう)した付近の地山が崩壊し、落下した岩石の下敷きとなったものである。
 この現場では、発破(はっぱ)で崩した岩石をドラグショベルで切羽(きりは)から掻き出し、そのうちの大きな岩石をブレーカーで人の頭ほどの大きさに小割りする作業を行っており、小割りした石をタイヤショベルでダンプに積んで採石場から近くの砂利製造プラントに運搬し、そこで砂利を製造している。
 災害発生当日は、朝から6人の作業者で前日に崩した岩石を砂利製造プラントに運搬し、砂利を製造する作業を行っていたが、正午前に運搬する岩石がなくなったので、昼食をはさんで全員で砂利製造プラントの清掃作業を実施した。
 その後、作業主任者(ドラグショベルで切羽(きりは)から掻き出す作業も担当)は、被災者を砂利を積み込む予定の運搬船のところに送り、自分は採石場に戻り、クローラドリルで切羽(きりは)に深さ4mの孔を3本穿孔(せんこう)し終わった時に、被災者が運搬船がこなくなったことの報告に採石場にきた。
 その報告を受けた後、作業主任者は、火薬を取りにいったんその場を離れ、まもなく戻ったところ、穿孔した付近の地山が崩壊しており、被災者が壊れたブレーカーの中で岩石(重量約40〜50kg)にはさまれて死亡していた。

原因

 この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1  穿孔(せんこう)した付近の地山が降雨のため崩壊しやすい状態になっていたこと。
 当日は、朝から小雨が降っており、特に正午頃には強い雨があって降り始めからの総雨量は55mmにも達していた。
 なお、作業主任者が穿孔(せんこう)の前に離れた場所に移動させていたブレーカーが切羽(きりは)付近にあり、被災者は自発的に付近にあった岩石(崩落の前兆として落下した可能性も考えられる)をブレーカーで小割りする作業を行おうとして、切羽(きりは)付近にいたものと推定される。
2  作業現場の上下で道路建設工事と採石作業が同時に進行していたこと。
 採石現場の下方は緑地保全区域であるが、この場所では県道の改良工事が行われており、当日道路工事は行われてはいなかったものの、同じ地山の上下で振動を伴う工事が行われていたことから地山が不安定な状態となっていたことも考えられる。
3  採取計画と異なる勾配で岩石を採取していたこと。
 地方公共団体から許可を得た採取計画では、掘削勾配が60度以内、掘削高さ15 m以内となっていたのに、実際にはそれを超えた角度(目測で約75度)および高さ(19 m)で掘削されており、このような作業が常態的に行われていた。

対策

 同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要と考えられる。
1  作業に際しては、採取計画だけではなく、掘削面の高さおよび勾配、掘削面の段の位置および奥行き(ベンチの寸法),岩石の小割りの方法、表土および湧水の処理方法などを盛り込んだ安全な採石作業計画を定めて実施すること。
 作業は岩石採取計画に基づいて作業を行うことが原則であるが、地山の状態が不安定な場合には作業の安全について検討し、計画の変更を行う必要がある。
2  作業開始時には、作業の種類と場所の指示のみではなく、作業の危険有害性および禁止事項などについて関係作業者に周知徹底すること。
 作業に先だって点検者を指名して地山の状態、浮石の状態、湧水の状況などを点検させる必要がある。
3  採石作業に伴って崩壊または落下のおそれがある土石がある場合には、あらかじめそれを取り除くか防護網を張るとともに、立ち入り禁止区域を明示するなどして、禁止区域内での小割り作業等立ち入り禁止を徹底すること。
4  周辺での作業との連絡調整を十分に行うこと。
 異なる事業者が採石現場の上下など付近で作業を行っている場合には、地山の崩壊、落石、湧水、地震等による危害を防止するため、作業開始前に連絡調整を行うとともに、随時に情報の交換などを行う。