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労働災害事例

破傷風により死亡

業種 その他の土木工事業
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) 木材、竹材
災害の種類(事故の型) その他
建設業のみ 工事の種類 その他の土木工事
災害の種類 その他
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:−
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)

No.1005

発生状況

本災害は、被災者がトラックより型枠材料の角材を降ろしているときに刺さったトゲがもとで、破傷風になり死亡したものである。
 被災者は防火水槽の型枠工事を行うため、資材置場より米松の角材約50本と銅製の角パイプ約50本2トンをトラックで運搬しつつ、型枠を建造する作業に従事していた。
 被災当日、午後4時ごろ、角材をトラックより降ろす作業中に、長さ2cm、ようじ程の太さのトゲを手の指に刺した。これらの角材は過去に使用したことのあるものである。被災者は同僚にトゲをぬいてもらい、そのまま午後4時30分まで工事現場の片付けを行って帰宅した。帰宅後、家で消毒程度の軽い手当をした。
 翌日、負傷した指が腫れて痛み出したが、日曜日で近くの医院が休診のため、前日同様に消毒程度の軽い手当をした。
 2日後に、自宅近くの医院で診察を受けたところ、切開排膿を施行し、破傷風ワクチンを注射した。以降、被災者は毎日通院治療を受け、受傷7日後に治療を終了した。なお、被災者は、受傷3日後から日曜日を除き作業に従事している。
 被災者は、受傷9日後から体の具合が悪くなってきたが無理をして仕事をしていた。しかし、11日目になり、構音障害(ろれつが回らなくなること)が出てきたので仕事を休み、その翌日、総合病院で受診し、入院した。
 受傷15日目になり、突然、容態が悪化し、破傷風と診断され治療が行われたが、さらに容態が悪化し、受傷20日目に死亡した。
 なお、破傷風の潜伏期が大体6日〜14日位である。

原因

1 被災者が角材のトゲにより刺創を負ったこと。
2 刺創発生時又は発生後の現場片付け中、刺創部が破傷風菌に侵されたこと。
3 刺創発生後、刺創部の簡単な消毒のみで、受傷日を含め2日間医師の治療を受けなかったこと。
4 破傷風の危険性についての認識が欠けていたこと。

対策

破傷風の危険性について認識させ、予防接種を励行すること。