鋳型製造工場において、金型を天井クレーンで運搬作業中、クレーン乗り込み用タラップにいた作業者がクレーンに挟まれる
| 業種 | 鋳物業 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 事業場規模 | 100〜299人 | |||||
| 機械設備・有害物質の種類(起因物) | クレーン | |||||
| 災害の種類(事故の型) | はさまれ、巻き込まれ | |||||
| 被害者数 |
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| 発生要因(物) | 設計不良 | |||||
| 発生要因(人) | 危険感覚 | |||||
| 発生要因(管理) | 危険場所に近づく | |||||
No.100438
発生状況
この災害は、鋼塊用鋳型等製造事業場の造形工場において、カウンターウエイト製造用金型を天井クレーンで運搬作業中、クレーン乗り込み用タラップにいた作業者がクレーンに挟まれたものである。造形工場の作業者は13名で早番と遅番の2班に分かれて行われている。
災害発生当日、前日の遅番勤務者の作業が遅れていたので、その作業のつづきを行うとともに、その他の者は安全週間に因んで、各自の持場の2S(整理・整頓)を行うことを全員参加した朝礼で、作業長から指示された。
金型の上型と下型を合わせる作業場所の作業において、クレーン操作担当の作業員Aは吊り上げ荷重25tの天井クレーンの遠隔無線操作盤を持ち、一人で前日の作業の続きを行ったが、作業者Bはクレーン昇降タラップ等の2Sの作業を始めた。
作業員Aは14.4tの金型に玉掛けしてクレーンのフックに掛け、1.5mの高さまで吊り上げた。ついで吊り荷を無線機のボタンを押してクレーンを水平に移動させたその直後、クレーン昇降タラップ最上段の乗り込み口で作業していた作業者Bが乗り込み口の手摺とクレーンの点検デッキに挟まれた。
原因
この災害は、天井クレーンで運搬作業中、クレーン乗り込み用タラップにいた作業者がクレーンに挟まれたものであるが、その原因としては次のようなことが考えられる。1 クレーン運転中は関係作業者以外の立ち入りが禁止されている区域に関係作業者以外の作業者が立ち入ることができたこと
2 クレーンの乗り込み口の真上をクレーンの点検デッキが走行する構造であること
乗り込み口の床面とクレーンの点検デッキの底面との距離は0.8mしかないので、乗り込み口にいた作業者が背後から走行してくるクレーンの点検デッキとクレーンの乗り込み口の手すり(乗り込み口の床面から高さ0.7mの位置に設置)との間に挟まれた。
3 安全管理が不十分なこと
非定常作業を行わせる場合は定常作業に比べて災害が起こりやすいという認識がなく、定常作業と非定常の2S 作業を同じ場所で混在して同時におこなわせた。
また、朝の定常作業における人員のほぼ2倍の作業者で作業を行わせたにもかかわらず、役割分担と指揮命令系統について、明確な指示が行われていなかった。
対策
この災害は、鋼塊用鋳型等製造事業場の造形工場において、カウンターウエイト製造用金型を天井クレーンで運搬作業中、クレーン乗り込み用タラップにいた作業者がクレーンに挟まれたものであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要と考えられる。1 クレーン運転中は立ち入りが禁止されている区域に、何人も立ち入ることができないように施錠装置等を設置すること
2 クレーンの乗り込み口の床面から高さ1.8m以内のところをクレーンの点検デッキが走行しないような構造に改善すること
または、クレーンの乗り込み口に人がいるときは電源が遮断されてクレーンを起動することができないようにするか、クレーン運転中は乗り込み口に立ち入れないようにする安全装置を設置すること
3 非定常作業を行わせる場合は定常作業に比べて災害が起こりやすいことを周知するとともに、非定常作業を行わせる場合は、その都度、作業計画を検討して、安全管理を徹底すること
厚生労働省