足を滑らし増水した河に転落して溺死した
| 業種 | 河川土木工事業 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 事業場規模 | 30〜99人 | |||||
| 機械設備・有害物質の種類(起因物) | 水 | |||||
| 災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
| 建設業のみ | 工事の種類 | 河川土木工事 | ||||
| 災害の種類 | ||||||
| 被害者数 |
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| 発生要因(物) | 自然の危険 | |||||
| 発生要因(人) | 危険感覚 | |||||
| 発生要因(管理) | 不意の危険に対する措置の不履行 | |||||
No.100350
発生状況
この災害は、河川災害復旧工事において、増水した河川敷内に取り残されたドラグショベル上の作業員を助けようとして、増水した河川に転落したものである。災害発生前日、ドラグショベルのオペレーターは、ドラグショベルを所定の場所に戻さず、河川敷内の仮設通路上に置いて作業を終えた。
災害発生当日の朝、作業者3名が現場に入り、前日から断続的に雨が降り続いたので、資材等が増水した川に流されないように資材等の移動作業を始めた。
資材等を移動している作業中に河川の流量が急激に増加したため、オペレーターが河川敷内に取り残されてしまった。
河川敷内に取り残されたオペレーターは、ドラグショベルを出来るだけ高いところに移動したが、さらに増水して運転席まで水が入ってくるようになったので、オペレーターはカウンターウエイト上に避難した。
この様子を見た被災者は、岸から14m離れたドラグショベルのカウンターウエイト上に長さ20mのトラロープの一端を投げたが届かなかった。再度、被災者がトラロープを投げたとき、足を滑らし、増水した川に転落しおぼれたものである。(図参照)
原因
この災害は、大雨により急激に流量が増加した河川敷内に取り残された作業者を救出するため岸からトラロープを投げる際に足を滑らし川に転落したものであるが、その原因としては、次のようなことが考えられる。1 被災者がドラグショベルのオペレーターを救出する際、足元の安全を確認せずに、カウンターウエイト上のオペレーターに向けてトラロープを投げたこと
2 降雨によって河川が増水する危険性を予測することなく、ドラグショベル、資材等の撤去作業を実施したこと
災害発生当日は大雨洪水警報が発令されていた。
3 現場での機材の管理が徹底されていなかったこと
災害発生前日の作業終了時にドラグショベルを所定の場所に戻さず、河川敷内の仮設通路上に放置した。
4 組織としての管理が徹底されていなかったこと
現場監督、本社管理者に連絡を取らないまま、現場の状況を十分に把握しないで、撤去作業を作業者が独自の判断で行った。
対策
この災害は、増水した河川敷内に取り残された作業者を救助するためにトラロープを投げる際に足を滑らし川に転落したものであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。1 河川敷内又は河川周辺で作業を行うときは、河川の増水による危険を防止するための基準を作成し、作業者に周知徹底すること
あらかじめ降雨量の把握の方法、増水した場合の作業中止に関する基準の設定、避難および救助の方法連絡体制などについて定める必要がある。
なお、避難方法にはあらかじめ避難経路の設定、救助の方法には命綱の使用など現場の実態に即した具体的な方法を定める必要があり、定めた方法により訓練を実施することも重要である。
2 降雨などにより河川が増水したときは、速やかに作業を中止して、作業者を安全な場所に退避させること
3 作業用機械設備、工具類などは、安全な保管場所を決め、作業終了後、所定の保管場所に戻すなどの管理を徹底すること
厚生労働省