永久磁石を用いたつり具から外れた鉄板の下敷きとなる
| 業種 | その他の金属製品製造業 | |||||
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| 事業場規模 | 5〜15人 | |||||
| 機械設備・有害物質の種類(起因物) | 金属材料 | |||||
| 災害の種類(事故の型) | 激突され | |||||
| 被害者数 |
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| 発生要因(物) | 構成材料の欠陥 | |||||
| 発生要因(人) | 無意識行動 | |||||
| 発生要因(管理) | つり荷に触れ、下に入り又は近づく | |||||
No.100290
発生状況
この災害は、建設用鉄骨製造工場において、鉄板を永久磁石を用いたつり具に吸着させ、床上操作式クレーンにより運搬中、シャーに激突し、外れた鉄板の下敷きになり死亡したものである。災害が発生したA社は、鉄板をクレーンで運搬し、シャーで、切断加工する作業を、構内に常駐するB社に下請けさせていた。
災害発生当日、被災者は、午前8時工場に入り、A社の工場長より鉄板を小割するよう指示を受けた。作業は被災者の単独で行われ、始めに、工場内の資材置き場から鉄板(SS400、大きさ221p×163p、厚さ12mm、重さ300s)を小割に使用するシャーの位置まで運搬するためにクレーンを使用した。鉄板を永久磁石を用いたつり具で吸着セットし、床上操作式クレーン(つり上げ能力2.9t)で1m程度の高さにつり上げ、シャーの位置まで運搬し、押しボタンスイッチを操作してシャーのテーブル(材料受け台)に鉄板を降ろそうとしたとき、鉄板が荷振れして、テーブルに激突した。鉄板は、その反動で永久磁石から外れ、テーブルの材料受け棒を切損して落下し、思わず支えようとした被災者が、その下敷きになり死亡した。
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。1 床上操作式クレーンによる運搬操作で荷振れを生じさせたこと。
テーブル面を注視しながら運転のため、押しボタンスイッチの操作が不十分となり荷振れが生じた。
2 荷振れによる激突で永久磁石から鉄板が外れ落下したこと。
3 シャーのテーブル面が鉄板をセットするには不適当な形状であったこと。
刃部への鉄板を送るための材料受け棒があるテーブル面が鉄板を支える十分な構造でなかった。
4 飛来落下防止用の保護帽を着用していなかったこと
対策
この災害は、建設用鉄骨製造工場において、鉄板を永久磁石を用いたつり具に吸着させ、床上操作式クレーンにより運搬中、シャーに激突し、外れた鉄板の下敷きになり死亡したものであるが、同種災害の防止のためには、次の対策の徹底が必要である。1 荷振れを生じさせない適切な運転操作を行うとともに、床上操作は、つり荷に接近して行わない運転方法を確立すること。
2 つり荷の荷下ろなど確認が困難な作業時には合図者を配置して行うこと。
3 つり具としての永久磁石は、鉄板の厚さに応じたもの、荷振れによる衝撃にも耐える吸着能力などを有するものを使用すること。
4 シャーのテーブル面の構造は、材料の大きさ、荷下ろし時の衝撃などに耐える広さ、張り出し長さ、本数、強度などを有するものに改善すること。
5 クレーン、永久磁石の取扱いなどの作業マニュアルを整備し、徹底すること。
6 下請会社に対して、元請会社は、作業方法の手順を確立して、周知徹底すること。
厚生労働省