缶コーヒーを渡そうとしてドラグ・ショベルのアームとダンプトラック荷台との間に挟まれる
| 業種 | その他の土木工事業 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 事業場規模 | 5〜15人 | |||||
| 機械設備・有害物質の種類(起因物) | 掘削用機械 | |||||
| 災害の種類(事故の型) | はさまれ、巻き込まれ | |||||
| 建設業のみ | 工事の種類 | その他の土木工事 | ||||
| 災害の種類 | パワーショベル等 | |||||
| 被害者数 |
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| 発生要因(物) | 区画、表示の欠陥 | |||||
| 発生要因(人) | 無意識行動 | |||||
| 発生要因(管理) | 動いている機械、装置等に接近し又は触れる | |||||
No.100225
発生状況
この災害は、配水管の埋設工事に従事していたドラグ・ショベルの運転者が、缶コーヒーを受け取ろうとして上着の裾を操作レバー引っ掛けたため、上部旋回体が旋回し被災者をダンプトラック荷台後部との間に挟んだものである。災害発生当日、被災者等は、埋設した配水管上の路面を仕上げるため、表層をドラグ・ショベルで再掘削して掘削ガラをダンプトラックで搬出し、ローラー転圧で仕上げる作業を行っていて、被災者は掘削した後に路盤材料を敷き均す作業に従事していた。
午前10時30分頃、被害者は、ダンプトラックの運転手に頼んで購入してきてもらった缶コーヒーをドラグ・ショベルの運転者に渡そうとした。
この時、運転者は、ドラグ・ショベルの運転席から腰を浮かせて受け取ったが、上着の裾の中に操作レバーが入り込んだのに気づかぬまま着席したため、操作レバーが動き、上部旋回体が旋回した。
そのため、ダンプトラックの荷台後部とドラグ・ショベルとの間に居た被災者が、旋回したショベルのアームと荷台後部との間に頭部をはさまれた。
被災者は、直ちに病院に運ばれ治療を受けたが、まもなく頭蓋骨粉砕骨折で死亡した。
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。1 被災者が、稼働中のドラグ・ショベルに近づいたこと
2 ドラグ・ショベルの運転者が、缶コーヒーを受け取るときにエンジンを停止しなかったこと
3 運転者が、作業服をきちんと着用していなかったこと
4 運転中のドラグ・ショベルの稼働範囲に労働者が立ち入ることを禁止する措置をとっていなかったこと
5 現場監督が、作業を監視し適切な指示を行っていなかったこと
対策
この災害は、配水管の埋設工事に従事していたドラグ・ショベルの運転者が、缶コーヒーを受け取ろうとして上着の裾を操作レバー引っ掛けたため、上部旋回体が旋回し被
災者をダンプトラック荷台後部との間に挟んだものであるが、同種災害の防止のために
は、次のような対策の徹底が必要である。
1 運転中の車両系建設機械等に接触する危険のある箇所には、作業者を立ち入らせな
いこと
2 作業者に対する安全教育を徹底すること
3 ドラグ・ショベルの運転者は、運転に適した正しい服装をすること
厚生労働省