移動式クレーンのワイヤロープ巻上げ時にトレーラーに積み込まれたH型鋼が落下
| 業種 | 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事業 | |||||
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| 事業場規模 | 16〜29人 | |||||
| 機械設備・有害物質の種類(起因物) | 玉掛用具 | |||||
| 災害の種類(事故の型) | 飛来、落下 | |||||
| 建設業のみ | 工事の種類 | その他の建築工事 | ||||
| 災害の種類 | その他の飛来・落下 | |||||
| 被害者数 |
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| 発生要因(物) | 防護・安全装置が不完全 | |||||
| 発生要因(人) | 危険感覚 | |||||
| 発生要因(管理) | 不意の危険に対する措置の不履行 | |||||
No.100223
発生状況
この災害は、浄水場建設工事に使用した仮設桟橋の解体工事において、覆工板とH型鋼を移動式クレーン(つり上げ荷重25トン、トラッククレーン)によってトレーラーに積み込む作業中に発生したものである。工事は地方公共団体発注による浄水場処理等建設工事において、使用した仮設桟橋を撤去する作業で、元請建設会社X社からの依頼でY工業が受注したものである。
トレーラーの荷台では作業員A(被災者)とトレーラー運転者B(被災者)が玉掛け作業を行った。最後のH型鋼の積み込みを終了したAとBは、玉掛け用のクランプを外した。このクランプは1トン用のワンタッチ式のものであった。
その後、両者はクレーン運転者Cに巻き上げの合図を送ってワイヤーロープを巻き上げさせた。そのとき、フックに取り付けられたクランプが積み込んだH型鋼に引っかかり、H型鋼が荷台より落下し、両者が下敷きとなって被災したものである。
原因
この災害の原因としては次のようなことが考えられる。1 クランプがH型鋼に引っかかったこと。
荷下ろし後のクランプは、H型鋼に近接した位置に置かれていた。ワイヤーの巻き上げによるKクランプの上昇時に、その開口部がH型鋼に引っかかった。
2 クランプがクレーンオペレーターの死角位置にあったこと。
クレーン作業指揮者の監視位置が、災害発生箇所から20メートル離れていたことと、吊り具であるKクランプが作業員Aの影に位置したために死角にあった。そのために、クランプがH型鋼に引っかかったことに気がつくのが遅れた。
3 被災者が、クランプがH型鋼に引っかからないことを確認しないで巻上げの合図を行ったこと。
4 作業者に対する安全教育が不十分であったこと。
対策
この災害は、浄水場建設工事に使用した仮設桟橋の解体工事において、覆工板とH型鋼を移動式クレーンによってトレーラーに積み込む作業中に、積み込んだH型鋼が荷台より落下し、作業員2名が下敷きとなって被災したものである。同種災害の防止のためには次のような対策の徹底が必要である。1 玉掛け作業にかかわる危険予知と安全意識の高揚を図ること。
2 作業計画を策定しその計画に基づいて作業を行うこと。
3 玉掛け用器具等については安全な構造のものとするとともに、作業者に対して安全な使用方法を周知徹底すること。
利便性が高い道具も使用方法を誤ると事故の原因となる。使用者はそれぞれの道具や器具の特性を十分理解して使用することが重要である。また、機器の安全性を高めることによって危険性を減少させるハード的な安全対策も必要である。
4 作業方法の周知徹底を図ること。
5 安全衛生管理体制を整備すること。
6 安全衛生教育を実施すること。
厚生労働省