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労働災害事例

簡易リフトのワイヤロープが切れ、搬器と共に墜落

簡易リフトのワイヤロープが切れ、搬器と共に墜落
業種 肉製品、乳製品製造業
事業場規模 1〜4人
機械設備・有害物質の種類(起因物) エレベータ、リフト
災害の種類(事故の型) 墜落、転落
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:1人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 老朽、疲労、使用限界
発生要因(人) 危険感覚
発生要因(管理) 機械、装置等を指定外の方法で使う

No.100100

発生状況

 この災害は、簡易リフトに乗り込んで、段ボールの空き箱等を搬送していた時に、搬器をつっていたワイヤロープが切れたため、作業者が搬器と共に墜落し、搬器から出した腕が昇降路の壁材を突き抜けて挟まり負傷(切断)したものである。
 災害発生当日、被災者は、保冷車を用いて客先まで精肉を配達する作業を行っていた。
 配達を終えて、午後6時30分頃、配達先で不要になった、すべて空の段ボール箱とプラスチック製コンテナ(プラスチック製でメッシュ状の箱)を、1階の荷の積卸し口で簡易リフト(定格荷重500kg)に運び入れ、自ら搬器に乗り込んで、2階へ上昇させた。搬器内には既にプラスチック製コンテナが積んであったが、すべてが空き箱であり、重量物は無かった。2階積卸し口で、客先から回収してきたプラスチック製コンテナを下ろしたところ、簡易リフトの搬器を吊っていたワイヤロープが切れ、被災者は搬器と共に1階に墜落した。落下時に搬器から外に出した腕が、昇降路の壁面とぶつかって、壁材を突き抜けて挟まり負傷(切断)した。

原因

 この災害の原因としては、次のことが考えられる。
1 リフト搬器を吊っていたワイヤロープが、素線切れ等によって強度低下を起こしていたこと
2 簡易リフトに労働者を乗せて作業させたこと
3 構造規格に適合しない簡易リフトを設置したこと
4 簡易リフトについて、点検・整備(定期自主検査、作業開始前点検)が実施されていないこと
5 労働者に対して、簡易リフトの安全な操作方法、注意事項等を周知・徹底していなかったこと

対策

 この災害は、簡易リフトに乗り込んで、段ボールの空き箱等を搬送していた時に、ワイヤーロープが切れたため、作業者が搬器と共に墜落し、搬器から出した腕が昇降路の壁を突き抜け、上腕部が挟まって負傷(切断)したものである。同種の災害を防止するためには、以下のような対策が必要である。
1 簡易リフトを新たに設置する場合、あるいは既設リフトに改造を施す場合は、”簡易リフト構造規格”に適合したものとすること。
2 リフトに積載荷重を越える荷重をかけて使用しないこと。
3 簡易リフトを通常の作業で労働者を搭乗させる等、用途以外に使用しないこと。
4 作業開始前点検と定期自主検査(年次及び月例)を確実に実施すること。
5 労働者に対して、簡易リフトの安全な操作方法、注意事項について周知・徹底を図ること。