足場の組立て工事中、足場板もろとも墜落

業種 | 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事業 | |||||
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事業場規模 | - | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 足場 | |||||
災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事 | ||||
災害の種類 | 足場から墜落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.811
発生状況
災害が発生した工事は、コンサート専用のホール棟建築工事であったが、被災者は、特定元方事業者の職員で、ホール棟建築工事のうち6、7階の屋根部分の梁となる鉄骨工事および小ホール躯体仕上げの担当者として、施工計画から施工管理までを行っていた。災害は、小ホール内のつり天井および鋼製つり枠足場の取付け作業の作業床となるステージ状の足場の組立て作業において発生した。
ステージ状の足場は、小ホール6、7階の吹抜け部分に枠組み足場を小ホール長手方向に4列5段組立て、枠組み足場と枠組み足場との隙間に足場板の支持物とする単管を渡して、その上に鋼製足場板を敷き詰めてステージ状にするものである。
災害発生日の前日までに、枠組み足場が4列組上がり、つなぎの単管パイプがすべて取り付けられ、枠組み足場と枠組み足場との間を埋める鋼製足場板を1番南側の列について敷き詰めた。
災害発生当日は、1番北側の列について鋼製足場板の敷詰め作業が行われており、被災者は、朝から作業の打ち合わせ、作業の見回り、施工図面のチェック等を行っていた。
その後、被災者はステージ状の足場の上に上がり、職長と作業の打ち合わせを行った後、安全帯取付け用ロープをくぐって、鋼製足場板の敷詰め作業箇所に入った。
そして、被災者は単管に緊結されていない鋼製足場板の端部に足を乗せたため、鋼製足場板が支持物である単管を支点として天秤状になり、大きく傾き、約9m下のコンクリート床上に鋼製足場板もろとも墜落した。
原因
1 ステージ状の足場の組立て作業箇所において、緊結される前の鋼製足場板の上に乗ったこと。2 鋼製足場板を敷き詰めた後、直ちに緊結を行わなかったこと。
3 ステージ状の足場の組立て作業の作業手順が適当でなかったこと。
4 墜落防止設備のないステージ状の足場の組立て作業箇所において、安全帯を使用しなかったこと。
5 足場の設置に際して、その計画を工事の開始の日の30日前までに労働基準監督署に届け出なかったこと。
対策
1 足場の組立て作業箇所において、緊結される前の鋼製足場板の上に乗らないこと。2 足場板を敷き詰めた後は、直ちに緊結を行うこと。
3 足場の組立て作業の作業手順の内容が適正であるかどうかについて十分にチェックを行うこと。
4 墜落防止設備のない足場の組立て作業箇所においては、安全帯を適正に使用すること。
5 足場を設置する場合は、その計画を工事の開始の日の30日前までに労働基準監督署に届け出ること。