足場上で作業中、張出し足場から墜落

業種 | 上下水道工事業 | |||||
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事業場規模 | - | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 足場 | |||||
災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 上下水道工事 | ||||
災害の種類 | 足場から墜落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.742
発生状況
本災害は、貯水タンク新築工事において、外壁表面仕上げ作業中、張出し足場の開口部から墜落して、死亡したものである。当該工事現場は、地方自治体が上水道事業の一環として発注した貯水タンク築造工事であり、タンクの形状は、外径約27m(壁厚約25cm)、高さ約10mの円筒形である。
災害発生当日までにコンクリートの打設が終わり、巨大な円筒形の躯体のまわりには、枠組足場が7層設置してあった。また、枠組足場の内側には5層の張出し足場が設置してあった。
当日の作業は、コンクリートの側壁のピラスター部分(東西南北に各1カ所ずつ)にある鉄筋の端部を処理するための空洞を埋め、側壁の仕上げをするものであった。
この日に工事現場にいた者は8人で、元請現場代理人A、一次下請けの現場責任者B、そして作業者は被災者Cを含め6人であった。
当日は朝8時から全員が参加してミーティングを行い、Aから、足場上は滑りやすいので足元に注意するようにという指示などがあった。
その後、Cは1人で足場上から、ピラスター部分(東側部分)にある空洞にモルタルを埋め込んでいく作業に取りかかったが、10時の休憩になっても被災者Cが足場から降りてこなかったので、BがCの作業箇所に行ったところ、地面に倒れているCを発見したものである。
被災者Cの作業位置は、使用していたモルタル入りの缶が枠組み足場の4層と5層の間の張出し足場上にあったことから、ここから墜落したものと推定される。
張出し足場は通常の箇所については足場板2枚敷きとなっていたが、ピラスター部分についてはこれが飛び出している関係で1枚敷きとなっており、この結果ピラスター部分の付近には、躯体側には長さ1.7m、幅0.6mの開口部が生じていた。
原因
[1] 張出し足場と躯体の間が開口部になっていたこと。[2] 防網を設置していなかったこと。
[3] 作業者に安全帯を装着させ、また、使用させていなかったこと。
対策
[1] 開口部には、手すり等の墜落防止措置を講ずること。また、手すり等の設置が困難な場合は、防網を設置すること。[2] 高所での作業を行う必要がある者には安全帯の使用を徹底させること。また、安全帯を安全に取り付けるための親綱等を設置すること。