足場の交さ筋かいの下部から墜落

業種 | 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事業 | |||||
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事業場規模 | - | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 足場 | |||||
災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事 | ||||
災害の種類 | 足場から墜落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.602
発生状況
この災害は、鉄筋コンクリート造り2階建ての建物の外壁改修工事において、外壁の塗装工事の工程管理のため、外部足場2段目の作業床(高さ3.7m、幅50cm)上において写真撮影を行っていたとき、足場の交さ筋かいの下方のすき間から地上に墜落したものである。災害が発生した工事は、建物の外壁の防水工事と塗装工事を行うものであり、被災者が所属する事業場は2次下請けとして、塗装工事の一部を請負っていた。災害発生日の約2週間前までに、他の請負人が外部足場の組立てを行った。足場は、幅90cm、高さ1.7mの建わくを使用し、鋼製の床付き布わく(幅50cm)を作業床として使用したわく組足場である。その後、1次下請事業場が防水工事を行った。被災者が所属する事業場は、災害発生日の約1週間前から、高圧洗浄機による水洗作業、乾燥(作業休止)、養生(窓まわりにビニールシートを張る)、下地処理を行い、これらの作業に被災者も従事した。
災害発生当日は、被災者を含めて3名で、スプレーガンによる吹付け塗装を行った。夕刻、被災者は工程管理のための写真撮影を使い捨てカメラを用いて始めた。足場2段目上にて、玄関右側2階部分の外壁の塗装状況を、外壁から1.9mの場所に置いた黒板(工程を記入したもの)とともに撮影しようと中腰の姿勢で後退したとき、わく組足場の交さ筋かいの下のすき間から地上(アスファルト舗装面)に後向きの状態で墜落し、後頭部を強打し、被災日より15日後に死亡したものである。
被災者は、作業服および保護帽を着用し、運動靴を履いていた。安全帯は装着していなかった。
足場の外側には全面にメッシュシートが取り付けられていたが、被災者が墜落した際に、墜落した箇所のメッシュシートが外れた。
原因
1 作業床の幅がわく組足場の幅より狭く、作業床の端と交さ筋かいとの間にすき間があったこと。2 交さ筋かいとの間にすき間がある作業床上で、安全帯を使用せず、中腰の姿勢で後退したこと。
3 写真撮影を行う場所の事前の調査、安全な作業方法の検討を行っていなかったこと。
4 交さ筋かいとの間にすき間がある作業床上における写真撮影を行うにあたって、撮影に適したカメラ(ズームレンズ付きのカメラ等)を使用せず、使い捨てカメラを使用したこと。
対策
1 足場の作業床は、足場の幅全体に設け、できる限りすき間を少なくすること。わく組足場の場合は、建わくの幅に適した床付き布わくを用いること。2 足場上で中腰の姿勢での作業を行う場合は、作業場所へ移動してから姿勢を低くすることとし、中腰の姿勢での移動は行わないこと。また、中腰の姿勢で作業を行う場合は安全帯を使用すること。
3 足場上で中腰の姿勢での作業を行う場合は、事前に作業場所の状況を調査し、必要に応じ手すりの増設等を行うこと。
4 足場上での写真撮影を行うにあたっては、ズームレンズ付のカメラ等撮影作業に適したカメラを使用すること。