単管から墜落し、死亡

業種 | 砂防工事業 | |||||
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事業場規模 | - | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 足場 | |||||
災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 砂防工事 | ||||
災害の種類 | 足場から墜落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.539
発生状況
本災害は砂防工事現場において、砂防えん堤の外側に設置した張出し足場の架替え作業中、足掛かりとしていた単管から作業者が墜落して死亡したものである。災害の発生した工事は川に堤高13mの砂防ダムを建設するものであり、型枠の組立てとコンクリートの打設を順次繰り返しながら90cmずつえん堤を築くものであった。
えん堤には型枠の組立て作業を行うための張出し足場が設置されており、えん堤が高くなるたびに足場を架け替えていた。この張出し足場は、型枠上に水平に取り付けた単管に手摺りを取り付けるための建地のついたブラケットを、1.5mごとに設置し、足場板を架け渡し、手摺りを取り付けたものである。
足場の架替えはブラケットを設置するための単管を新たに取り付けた後、手摺りと足場板をすべて取り外し、単管を足掛かりとして、ブラケットを新たに取り付けた単管に設置し直す方法により行っていた。
災害発生当日、被災者は作業打合せを行ったあと、他の作業者と2名で足場の架替え作業を始めた。当日の作業は、まず単管を取り付けた後、被災者がブラケットを設置し、もう一人が足場板を架け渡して、2段の手摺りをクランプで固定するものであった。被災者が単管を足掛かりとしてブラケットを上方の単管に設置していたとき、足を踏み外し、約6m下の地面に墜落し死亡したものである。なお、災害が発生したとき、現場内には親綱は設置されておらず、被災者は安全帯を腰に巻いていたが使用していなかった。
原因
[1] 高さ2m以上の高所作業で、墜落の恐れがあったのにもかかわらず、安全帯の使用が不完全であったこと。[2] 安全帯の使用に必要な安全帯取付け設備を設置していなかったこと。
対策
[1] 本災害事例の作業においては、ブラケットをあらかじめ相当数用意し、新たな単管を取り付けた際にブラケットも設置しておくことにより作業床が設けられていない状態での作業を減らすことが可能であり、事前に作業方法、作業手順を十分に検討すること。[2] 墜落災害のおそれのある高所作業で、足場の設置等作業床を設けることが困難な場合において作業者に安全帯を使用させるときは、有効な安全帯取付け設備を設置し、確実に安全帯を使用させて作業を行わせること。